現地の人々の身体と心に寄り添うメディカルコーディネーターという仕事とは?
2021/12/22 16:18
前回に引き続き、木田にインタビューをいたしました!今回は木田が担うメディカルコーディネーターという役割についての内容です。
*メディカルコーディネーターとはどのような役割でしょうか?
コーディネートとは「物事を調整すること」、「間に立ってまとめること」という意味がありますが、主に現地での医療活動をコーディネートするのが私の役割となります。
国際協力の現場では、当たり前ですが1人では仕事ができません。現地の人たちがいたり、その他に関わる人やチームが多く存在します。予定している活動が滞りなく進行しているかを管理しながら、様々なアクターと調整を行い、事業全体を推し進めていくポジションです。
*具体的にはどのようなことをしているのでしょうか?
直接的に保健医療に関する現地スタッフへ指導やフォローをリードすることもありますが、メインは先ほどもお話した通り、プロジェクト進行においての調整業務です。
プロジェクトコーディネーターが他NGOと協議したことの連携を受けたり、現場で話した活動の戦略を共有しあったりして、現場に落とし込んでいます。
*プロジェクトコーディネーターとの違いは何でしょうか?
保健医療だけでなく、事業を進めるためのヒト・モノ・カネといった事業全体の枠組みを構築するための連携・調整を行うのがプロジェクトコーディネーターの役割です。
ロヒンギャ難民コミュニティ支援プロジェクトでは、何百という国連団体とリレーションを取っているため、支援が重複したり、偏ったりしてしまわないように、調整を進めていく必要があります。プロジェクトコーディネーターは事業の骨組みを、メディカルコーディネーターは事業の肉付けを担う機能だと思ってもらうとよいかもしれません。
*メディカルコーディネーターとして働く中で直面した課題や悔しい経験は何でしょうか?
世界の医療団での活動がきっかけで、難民キャンプの人たちが身体的なダメージと同時に、心のダメージも大きく受けていることを痛感しました。身体的なケアに関しては、これまでの看護師としての経験を活かし、現地の人へ知識やノウハウを提供することができますが、心のケアについては、下手な出方をすれば、かえって傷を広げてしまう、深めてしまう可能性があり、とても繊細な分野だと感じています。実際の活動の中で、私自身現地の方々へ上手く立ち回れない経験をし、とても悔しい思いをしました。
*メディカルコーディネーターとしての今後の動きについてお伺いできますでしょうか?
現在、大学院で修士課程を履修し、臨床心理士の資格を取得しようとしています。
先ほどお話した経験から、メディカルコーディネーターとして保健医療のサポートだけではなく、彼らの心に寄り添いケアしていくためには何が必要なのかを考え、まずは知識と技能を身につけようと決めました。コロナの影響もあり、昨年から現地に行けていませんが、日本にいる期間も、自分自身ができることを常に模索し続けています。
来年にはしっかりと資格取得を果たし、そして身につけた知識と技能をきちんと現地で実践し、ロヒンギャの方々の心身の両面を支えていきたいです。
明日は、プロとして現地の課題にどのように向き合い、取り組んでいるのかをお伝えさせていただきます!
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