ロヒンギャの人々は「無国籍の難民」という立場で難民キャンプに留まらざるを得ず、クーデター後のミャンマーに帰る見通しもなく、意欲や尊厳を保つことが難しいと感じています。
キャンプ内では移動が制限され、就労は禁止され、正式な教育を受けられません。
将来のために知識や技術を身に着けて、これらを生かせるように、世界の医療団はロヒンギャ難民ボランティアと働き、人々が健康を維持・推進することを支援し続けます。
彼らが「自分達と一緒に歩み続けてくれる人々がいる」と感じられることが重要なのだと思います。
そこで今回、ロヒンギャの人々が尊厳を保って健康的な生活を送るための活動を一緒にサポートいただける方を募集します。
※ロヒンギャ:ミャンマー西部ラカイン州に暮らす少数派のイスラム教徒の人々。人口は100万~200万人とも言われ、その多くがミャンマー西部にあるラカイン州で暮らしています。
Story
ロヒンギャの人へ保健医療サービスを届けるためのアクセスできる情報を届ける
ロヒンギャの人々は野菜を食べることや運動することが習慣づいておらず、健康に関する十分な知識がないために高血圧・高脂血症・糖尿病などの疾患を抱えてしまうことが多々あります。
しかし彼らには自分たちの健康に関する情報を得るためのメディアやツールがありません。そこで、世界の医療団はキャンプで生活する非感染性疾患にかかりやすい40歳以上の人々とその家族を訪問して健康教育を行っています。
また、非識字率の高い女性や視覚障害を有する高齢者に健康について理解をしてもらうためには写真や絵を用いて説明をする必要があります。理解を助けるポスターやリーフレット、紙芝居といった教材の作成・配布を行っています。
世界の医療団のプロフェッショナルたち
これらの取り組みを現地で支えるプロフェッショナルたちに話を伺い、世界の医療団への加入を決意したエピソードや、活動に対する想いなどをお話しいただきました。
プロジェクトコーディネーター 中嶋 秀昭
プロジェクトコーディネーターとして、現地連携先団体との協議・折衝・彼らの能力向上支援、会計・ロジ管理、他NGO等関係者との調整、安全管理を担当。
メディカルコーディネーター/看護師 木田晶子
現地での具体的な活動の立案・実施監理、関係者の能力向上支援を担当。
世界の医療団のロヒンギャでの事業内容
1.個別訪問での健康教育
世界の医療団はキャンプで生活する非感染性疾患にかかりやすい40歳以上の人々とその家族を訪問して健康教育を行っています。健康教育を通じて生活習慣に問題があることに気づいてもらい、より健康的な生活習慣に変えていくための工夫やアドバイス、他者の成功例を伝え、彼らが自主的に行動できるように支援しています。現在、1,000人ほどの人々に健康教育を提供しています。
2.ポスターやリーフレットの作成
非識字率の高い女性や視覚障害を有する高齢者に健康について理解をしてもらうためには写真や絵を用いて説明をする必要があります。理解を助けるポスターやリーフレット、紙芝居といった教材の作成・配布を行います。
支援者になってくださった方々へ
今回支援者になってくださった方々には下記を支援者特典としてご提供いたします。
左:会報誌「L'avenir(ラブニール)」と感謝状 右:記念ノベルティ「クラッチバック型ノート」
これからもロヒンギャとともに
2017 年 8 月 25 日。ロヒンギャがミャンマーを追われる事件が起きたあの日から4年が経ちました。考えてみてください、生まれたての赤ちゃんなら、4年間で、立って、歩き、話すようになる、そのような長い年月です。
しかし、ここロヒンギャ難民キャンプの状況は何も変わってはいません。むしろ、新型コロナによる影響や離島への移送、ミャンマーでのクーデター等、状況は悪化の一途を辿っています。そして私たち日本人スタッフもコロナの影響により、約 1 年半キャンプに行けない状況が続いています。
母国ミャンマーへの帰還への切実な願いを語る彼らの顔が想い浮かばれてなりません。たとえどれだけ困難な状況にあっても、彼らが希望の根を絶やさないように、ロヒンギャの人々に寄り添い、共に歩んで行きたいと思います。
彼の地で懸命に生きている彼らを、私たちと一緒に支えてください。