北九州出身の早川さんに初めて会った2014年。今から7年前なのか（笑）震災後宮古市で高校生向けのプログラムを行なっている団体があると聞きつけて、僕は足を運びました。

そこにいたのは、寡黙で多くを語らない静かな男。早川さんでした。話を聞けば震災直後にボランティアとして現地入りしてそのままみやっこベースを立ち上げたということだった。一連の話の最後、ボソッと「あと数年には北九州に帰ろうと思ってます」と言い残した。

尊敬の念と、あと少ししか東北で一緒に活動できないのかと思うと悲しさが入り混じっていた。あれから月日が流れて当時プログラムに参加していた学生たちはあっという間に社会人に。彼ら/彼女らの様子を見ていると、当時のプログラムが影響してか、宮古愛が強く、多様な関わり方を行なっている。誰に言われたわけでもないのに・・・

この積み重ねが地域を面白くするし、豊かにするのだと思う。その根っこを早川さんは地道に育ててきたのだと思う。

あの時から言っている「来年には北九州戻ります・・・」
僕は大声を出して言いたい。「来世帰ればいいじゃない」と。

今までの感謝と共にこれからも関わり続けられることを期待して。

（写真は2014年当時のもの）

NPO法人底上げ（気仙沼）理事長
東北芸術工科大学コミュニティデザイン学科教員
矢部寛明