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職業規範によって解決すべき製薬マネー問題

2022/1/19 12:33

この原稿は医薬経済2021年12月15日号からの転載です。

2022年1月18日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  

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医療ガバナンス研究所、ときわ会常磐病院
尾崎章彦

21年12月4日、医学教育学会のプロフェッショナル部会が主催し、製薬マネーに関するウェブシンポジウム「医療専門職と製薬企業の利益相反を考える」を開催した。筆者は、部会長で愛知医科大学教授の宮田靖志氏とともに、シンポジウムのオーガナイザーを務めた。発端は、三重大学臨床麻酔部をめぐる一連の不祥事(三重大事件)である。とくに我々が着目したのは、臨床麻酔部が、小野薬品から奨学寄附金を受け取る見返りに、カルテ改竄にまで手を染めながら、同社の「オノアクト」の処方を増やしていった事例である。

シンポジウムは、奨学寄附金のあり方を中心にしつつも、広く製薬企業と医療者・医療機関の金銭関係について議論するために開催された。宮田氏と事前に議論し、ファクトベースでこの問題を語れる論客を、シンポジストとして招聘することとした。

シンポジウムにおいては、まず、医薬経済社で、三重大事件を発覚時から継続的に取材している槇ヶ垰智彦氏に、事件の概要を説明していただいた。次に、筆者とともに、製薬マネー調査に関わってきた仙台厚生病院の齋藤宏章氏や東北大学医学生の村山安寿氏らが、臨床医、医学生の立場から、製薬マネー問題について議論してくれた。村山氏からは、製薬企業から多額の謝金を受け取っている教授らは、医学生からは「後ろ暗いことをしているように見え」うること、また、齋藤氏からは、「数年来この問題に取り組んできた結果、周囲の医療者には、製薬マネーの問題点が少しずつ伝わってきた。続けることが重要」といった言葉があった。さらに、調査報道NPOのTansaに所属する辻麻梨子氏からは、「大手メディアは、製薬企業からの広告をアテにしている面があり、この問題に触れにくい」といった危惧すべき現状が報告された。

とりわけ筆者が印象に残ったのは、医療ガバナンス研究所の上昌広氏の講演である。上氏は、「プロフェッショナルとしてこの問題を解決することが重要」という趣旨で話をされた。医師は、「患者ファーストで行動すること」が重要であり、「患者との関係を損ねるのであれば、製薬企業と関係を持つべきではないし、逆に、患者のためになるのであれば、製薬企業と関係を持つことを躊躇う必要はない。ただ、現行の製薬マネーの大部分は患者のためになっていない」といった議論を展開された。そして、その職業規範に沿って行動するために、医師は「経済的に自立する必要がある」と主張された。

実は、似た議論が、21年12月5日の東京新聞における前川喜平氏のコラムで展開されていた。前川氏は、11月29日に日本大学の田中英寿元理事長が脱税容疑で逮捕された件に関連して、12月3日に文部科学省の「学校法人ガバナンス改革会議」がまとめた提言を紹介していた。その内容は、学外の有識者からなる評議員会を私立大学の理事会よりも上位に位置付け、理事の人事権を持たせるというものである。前川氏は、そのような対策は、理事長の代わりに評議員長に絶大な権力を握らせるだけであり、本来田中前理事長のような人物は、大学の自治において排除すべきであると批判していた。上氏の議論にも通じている。

今回のシンポジウムは、宮田氏の呼びかけではじめて可能となった。17年に筆者が製薬マネー問題に取り組み始めた際、まさか学会主催で、製薬マネーに関するシンポジウムを開催できる日が来るなどとは夢にも思わなかった。大学の内部から、このような難しい課題に積極的に取り組んでおられる宮田氏には、改めて敬意を表したい。好評を得られたので、今後も定期的に開催し、日本の製薬マネー問題がどのように変わっていくか監視する機会としたい。

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