理事の思い:その③吉元かおり
2020/7/24 13:01
10代の頃、私は大人への不信感を募らせて生きていました。
社会は大人が創っていると思っていたので、社会へも不信感、不安感でいっぱいでした。
信じて頼れる人がほとんどいない上に、自分にも自信が持てない。
でも納得できていないことに愛想笑いもできず、適当に流すことも、人になびくこともできない。
大人からは問題児扱いされ、ナメてる、可愛げがないと思われるような、反抗心剥き出しの10代でした。
昔の私しか知らない人は、今の私を見て驚くだろうと思います。
えらい丸くなって...って(笑)
時は過ぎ、不信感や怒りを持ったまま大人と呼ばれる年齢になってしまいました。親にもなり、自分が嫌いだった世界の歯車の1つになっていることに嫌気がさしていました。
その反面、自分の矛盾や未熟さ、特性などを自覚して、だんだん疑問が解かれて楽になっていく自分もいました。
そんな自分の両面を観察しているうちに、子育てを通して自分を育て直しているのだと感じるようになりました。
娘達や子ども達の声を聴く時、大人社会に不信や怒りを感じてきた、子どものままの私がいます。
とても共感するし、子ども達の言い分の方がもっともでまともだと感じることも多々あります。
子ども達が、今、その心で感じ取っている感覚的なことの中には、その子にとっての「ほんとう」が詰まっています。
真っすぐで純粋で、鋭くて、余計なものが邪魔してない。
子ども達の言葉に心を傾け、彼らの困りごとを解消するにはどうすればいいか?を考えていくことが、ハッピーな世界を創ることになるんじゃないかな?
いつしか、本気でそう考えるようになっていました。
今は時代の変革期で、これまでの常識や概念ではこれからの子ども達を守るには頼りないと感じています。
1人1人が、明け渡してしまっていた自分の操縦席に戻ることが、新しい時代を開く鍵だと私は思います。
その力を持っている子ども達が、安心して自分の感覚に従って自分を生きられる環境を創る。
ASOVIVA!を始めるときの、私の決意です。
子ども時代、社会は大人が創っていると思い込んでいましたが、本当は子ども達が創っていると今は思います。
パワフルな子ども達が大人の固定概念をぶち壊し、枠を越えた新しいものを作る動力となって大人を動かしてくれています。
でも、その声を無視したり、声を出せないように口を塞いでしまう力もまた、大人にはあります。
そのことを思うと、胸がぎゅーっと締め付けられて苦しくなります。
私にとってASOVIVA!は、安心して子ども達が自分を表現できる場であり、私自身も安心して子ども達の声を聴ける場です。
心をヒリヒリさせず、ただ目の前のその子のあるがままを見つめ、大人ぶらずに対等に関わり合えることが喜びです。
子ども達が感じ、考え、選び取っていくことで織り成されていく世界に、日々感動し、自分も学び、一緒に過ごせていることが幸せです。
自分も人も信頼できずにいた私が、それでも悲観し過ぎず、笑うことも失わず、楽しい経験もたくさんしてこれたのは、頑なで可愛げのなかった私にも愛を注いでくれた人達のおかげです。
「気にかけてくれている」
「大切に思ってくれている」
「一生懸命伝えてくれている」
「本当のことを伝えてくれている」
「好きと思ってくれている」
受け取り下手な私でも、そう感じられる関わり方をしてくれた人達がいて、辛い時に思い浮かべられる人の存在があったから、今の私が在るのだと思っています。
灯台となって私を導いてきてくれた人達へ少しでも恩返しができるように、子ども達が、自分とも人とも、愛ある関係を築いていくためのお役に立てることがあるなら、心から嬉しく思います。
ASOVIVA!は、本当に多くの人の手で創られ、支えられ、守られています。
子どもも大人も双方向に関わり合いながら、互いに成長し合い、協力し合って創っている学び場です。
こういった選択肢が広く認められていくように、ぜひ仲間に加わってください。よろしくお願いいたします。
理事
デモクラティックスクール
ASOVIVA!スタッフ
吉元かおり
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