株式会社ラ・ファミーユ 代表取締役社長 長尾実香 様 応援メッセージ
2020/6/19 17:18
「笑顔の花」代表の栄美さんとの出会いは、昨年7月に病気の子ども支援ネット(ガラガラドン)からお誘いを受けた「がんばれ!子供村」宿泊招待10周年!という企画イベントでした。
もともとFacebookを通じてエネルギッシュなお母様が長野にいらっしゃる事を、共通の友人を介してこっそり存じ上げてはいたのですが、まさかそのイベントで直接お会いし、初めましてと思えないくらい意気投合するなんて思ってもみませんでした。
栄美さんの愛娘、愛七ちゃんと同じく、末娘は、同じ重症心疾患で生まれました。生後間もなく、左室心筋緻密化障害による拡張型心筋症から重症心不全を発症し、薬でコントロールできなくなれば心臓移植でしか助からない命と医師から宣告されていました。
今から7年前の話です。当時は、現在と違って日本国内での小児の臓器提供は皆無に等しい状況で、渡航移植を目指す以外、娘が生き延びられる道はありませんでした。
幸い、多くの方々の善意の輪が全国に広がり、1歳になってすぐに渡米が実現し、奇跡的にドナーに巡り合うことができました。
その時の記憶は今もなお鮮明に残っており、ご協力頂いた多くの方々や、ドナーとなってくれた小さな命、そして深い悲しみの中でご英断下さったご家族への感謝の気持ちを忘れず、二つの命を慈しみながら1日1日を大切に過ごしています。
文章にすれば、これまでの経緯も簡単な表現になりますが、とても壮絶な時間でした。闘病中は付き添いが必要であったため、まだ幼かった上の兄弟児を実母に託し、1年半ほど離れ離れの生活を強いられていました。
常に緊張の糸が張り詰め、いつまで続くとも分からない日々の中で、自身のケアは全て後回しになり、心身共にボロボロになっている自分に気づく余裕すらありませんでした。
唯一の救いは、私と同じく遠方からきている他の親御さん達と、気持ちを吐露し合うことでした。
今思えば、極限状態の中で、ただひたすら我が子を守りたいという一心で、何とか乗り超えた日々が、懐かしくさえ感じます。
そんな娘も、今は地元普通小学校の特殊支援級に通う2年生になりました。そして私自身も、これまでの経験を元に、地域で暮らす障害のある子供たちとその家族の生活を支える小児の訪問看護や重症児に特化したデイサービスを提供する会社を設立しました。
元々、小児専門医療機関で看護師として勤務した経験、娘を通じて重篤な疾患や障害のある子を育てる親としての経験、そして地域の人々に自分なりの恩返しができないかという思いが現在の礎になっています。
その中での栄美さんとの出会いは、類似した境遇を乗り超え、あらゆる覚悟をしてきた母親として、また同じビジョンを共有し前進しようとする同士のような存在として、運命のように導かれたものなのかなと実感しています。
出口の見えない日々を、愛しい我が子の回復を切に願い、大切な命を守り抜こうとするご家族の支えになりたいと願う栄美さんの想いや活動に心から賛同し、ずっと応援し続けていきたいと思っております。
株式会社ラ・ファミーユ
代表取締役社長 長尾 実香
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