インターフェイス
2020/7/4 21:18
館長の仲野です。
今日は「福面」のご縁で交流がはじまった福山市の方が、ご夫婦で来館していただきました。雨天にもかかわらず遠方からお越しいただき、本当に感謝申し上げます。
私は博物館の役割はインターフェースだと考えています。コンピューター用語として使用されるインターフェースは、異なる2つのものを仲介するという意味です。身近なものではパソコンとプロジェクターを繋ぐHDMIやUSBメモリーなどがそれにあたります。
当館も異なるものを仲介するという点ではインターフェースといえます。それは、来館者と資料を仲介する重要な役割を担っているからです。資料と人とをつなぎ、さらにその資料を介して人と人とがつながる。そのような施設になることを理想としています。
ところで、福面を考案した人物は宮太柱という医者ですが、彼は中村耕雲を通じて代官屋代増之助が招いたものです。中村耕雲は、備中国後月郡高屋村の本草学者で、屋代代官は彼を招聘して銀山領内の薬草調査を行わせていますが、その目的は農村の振興策でした。
屋代は、山野に自生する薬草を農民に採取させ、これを大森町の商人を通じて大坂道修町に販売し、その利益を農村振興に役立てようとするもので、今で言う葉っぱビジネスです。今年はこの辺りをテーマに研究したいと考えています。
本日福山市よりお越しいただいた方には、中村耕雲についてもご教示いただいています。近いうちに現地調査を行う予定です。その成果は、追ってお知らせしたいと思います。
※写真は「採薬稼」の鑑札
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