Issues we are working on
■子どもたちの生活や居場所について
虐待、不登校、経済的困窮、日本語の不自由さ… 横浜市鶴見区に山積する子どもの課題と、支援現場の限界が数字から見えてきます。鶴見区内在住で、何らかのサポートが必要とされる子どもの数は、統計的に約 3,200 人*1と推計され、不登校児童生徒、生活保護世帯の子どもの数、外国人児童生徒など、横浜市18区の中でほとんどの数字で上位にあります。複合的な課題を抱える家庭も多く、子どもたちは何らかの課題を抱えながら日々の生活を送っています。
*1 NPO法人サードプレイス2016年度調査から推計
■学習の支援について
さらに、事業を進めていく中で「学習」についての課題が浮き彫りになりました。
学校内において、特別支援教育(いわゆる取り出し授業など)の要望が増えてきています。
人員などの限界もあり、学校内の教職員だけでは対応しきれない状態になっています。
ある中学校では、横浜市教育委員会から放課後学習支援の対応の予算として10万の補助が出ましたが、単年度補助であり継続性のない予算となっています。
また、学校内の教職員での放課後学習支援を実施する場合、さらに教職員の負担が増えることになってしまいます。昨今の教員の働き方改革と逆行してしまうのです。
課題が多様化していく中で、学校とNPOが連携することで、情報の共有・福祉的な個別サポートのノウハウ提供・地域人材のコーディネートを提供し合える関係構築をし、学校内でNPO法人が学校と連携して事業を実施していけるように取り組みを進めていく必要があります。
Why we are tackling this issue
■居場所づくりの必要性
「おかえり」が聞こえる、家に帰ってくる感覚で来れる居場所づくり。
鶴見区は、共働き家庭やひとり親の家庭がとても多く、家に帰っても「おかえり」と言ってくれる人がいない子どもたちがたくさんいます。宿題をやるにも、その場で見てくれる人がいません。
家に帰ってくる感覚で来れ、自分のことを見てくれる居場所(リビング)が地域の中に必要だと感じ居場所づくりを実践しています。
また、「もっと早く出会っていれば、もっと早く気づいていれば、こんなに問題が大きくならなかった」と思う子どもたちがたくさんいます。そんな子どもたちとの「出会いの場」づくりも必要です。
「場所(ハード)の居場所」と「心(ハート)の居場所」
建物などの「場所(ハード)」としての居場所 だけでなく
安心や拠り所としての「心(ハート)」の居場所 その両方を広めていきたいです。
■学習支援の広がり
・学習支援による効果:学力の向上、進学に対する不安の軽減
個別にフォローをすることで、学習に対する不安を軽減し学力の向上につなげつことができます。
・生活不安・孤立感の軽減
第三者であるNPOが学校内にいることで、学校の先生にも相談しにくいことなども相談できる存在が増え、抱えているしんどさや不安、孤立感を吐露することができるようになります。
・学校と地域での包括的なフォロー体制の効果
生徒たちにとってのセカンドプレイスである学校での学習支援、地域の中の居場所サードプレイスでの学習支援など選択ができることで、生徒たちの参加意欲が向上が期待できます。
また、学校内での学習支援実施のため、「そこに参加すると友達たちになんて思われるか」という不安があります。そういった不安がないように、希望者には学校外での学習支援の場も用意することが必要です。すでに実施している地域内での居場所事業で対応していきます。
How donations are used
■鶴見区内の地域の中での居場所づくり
・地区センカフェ事業
こどもたちのためのオープンスペース
毎週火曜日 鶴見区内の地区センター(公共施設)の会議室を借りて子どもたちが自由に遊べるスペースを実践しています。
◇使い道
・オープンスペースのお茶・お菓子代
・学生スタッフの謝金
・スタッフの人件費
名前を知らなかった地域の子どもたちから○○くん、○○ちゃん!とお互い顔見知りになり
地区センカフェの○○さん!と知り合いになる。
「普通の子」との時間も大切にしています。『ヒマそうな大人』がいる居場所づくりを続けています。
▶参考 子どもに必要なのはヒマそうな大人と「居場所」で生まれるナナメの関係
https://www.nippon.com/ja/japan-topics/c12702/
■学習支援の取り組み
・公立中学校内での放課後学習会
月2回の頻度で、放課後の時間を使い図書室で学習会を実施しています。
学校では、取り出し授業や個別の補修などでは限界がある。
教師と生徒との関係だと縦の関係になってしまって、地域の方の斜めの関係を学校に入れたい。
『生徒自身が自分から学習会の日を気にして、休まずに通っているのは 正直な話、想像していませんでした』
学習会に参加する生徒たちを見て、先生たちが効果を感じてくれています。
・中高生の居場所「つみれ自習室」
週1回 中高生世代の自習室を開放しています。大学生スタッフたちに勉強の質問をしたり、大学生生活の話を聞いたり、身近なロールモデルがここにいます。
「ただのオープンスペースだと、逆に何をしていいかわかんない」そんな高校生の一言から生まれたユニークな自習室。
外国ルーツの子どもたちのフリースクールも同時開催しているので、飛び交う言語がさまざまです。
◇使い道
・生徒たちの教材費
・コーディネートスタッフの人件費
・学習支援ボランティアさん、大学生スタッフの謝金・交通費
■鶴見区のひとり親支援
・鶴見区にお住いのひとり親世帯向け食料品配達
月1~2回、申し込みのあったひとり親世帯に寄付で集まった食料品を配達に伺っています。
コロナ禍初期に始まった食料品配達。少しずつ拡充を重ね、相談体制の強化やひとり親世帯の子どもたちの居場所づくりなどもスタートしました。
物価高もあり、生活に影響が出ているひとり親世帯を支える取り組みです。
◇使い道
・配達用のレンタカーの料金、ガソリン代
・チーフスタッフの人件費
・食料品を詰める段ボールなどの消耗品費
継続して取り組みが進められるよう、ご協力をお願いいたします。