Issues we are working on
今、さまざまな社会の壁に直面し、学校に通えない子ども達がいます。
子ども達の小さな小さな世界の中で、学校に通えないということは世界から拒絶されるということ。自分という存在価値を世界が認めてくれない。
そういうことに等しいこと。
東京都青梅市にあるレインボールームは、そんな子ども達の居場所としてスタートしました。
世界はあなたを拒絶していない。
あなたはあなたのまま、ここにいてもいい。
あなたのことを私たちは必要としている。
そんなメッセージを私たちは子ども達にいつも発信し続けています。
子ども達が自尊心を取り戻し、安心し、居場所をみつけていくために。
そして、安心できる居場所からいつか、ちょっと冒険してみることができる。そんな場所を目指しています。
Why we are tackling this issue
子ども達が置かれた現状
この国では、子ども達には教育を受ける権利があり、大人たちには子ども達に教育を受けさせる義務があります。
それ自体はとても素晴らしいことです。
ただ、今の教育システムでは「学校法人」に通うことが「教育を受ける」とイコールの現状で、この現実の中で取りこぼされていく子ども達がいるのです。
例えば神経発達症(※1)やHSC、起立性調整障害の子ども達。
私たちがこれらの症状や特性の名称から受ける印象以上に彼ら、彼女たちは繊細です。
だから、彼ら、彼女達の中には大人数が苦手な子が沢山います
1人1人の人間は生きているだけで様々な情報を発信していますが、それを丁寧に1つ1つ受け取ってしまうために、情報量が多すぎてパニックになってしまうからです。
私たちが普通に過ごせるであろう教室の風景も、この子ども達にとっては過大な情報が大音量で流れまくる場所のようになってしまうのです。
例えば、レインボールームに通う子どものある日の風景です。
大人数の子ども達がいる普通教室には通うことのできない彼女の支援学級の初日。
その日は、一日、教室にただいることが彼女の目標でした。
だから、先生からの指示はなにもないっていう約束。
でも、先生は大丈夫かな?って判断して
「これを書いてくれる?」と、指示してしまったそうです。
その一言を受け取る彼女の中では、このなんてことのない指示が「急な予定変更」と感じられてしまいます。
同時に必要以上の責任感も湧きあがります。
「書けと言われたら書かなきゃいけない。」
って。
でも、鉛筆を置く時に、音がしてしまったら怒られるかもしれない。
鉛筆を持ったままでいたい。
あ…だけど、みんな一回一回、書いたら鉛筆を置いているから、置かなきゃいけないのかも、鉛筆を持ち続けていたら怒られるのかも
このように1つの事象から受け取る情報量が圧倒的に多いのです。
常に人に対して気遣い、責任感が強く、だからこそこだわりも強い神経発達症やHSPの子ども達は、普通の子ども達の1動作の間にたくさんたくさんのことを処理しないといけないのです。
レインボールームの活動
だから、学校には通いにくい。
レインボールームはこういった神経発達症やHSC、起立性調整障害の子ども達、その他さまざまな理由で学校に通いずらい、そして通えない子ども達の居場所として運営しているフリースクールです。
子ども達の小さな小さな世界の中で、
「他人と同じようにできないこと」
「求めらることに応えられないこと」
つまり
「自分だけが学校に通えないこと」
は世界から自分が拒絶されていることに等しいことです。
自分がダメだから世界は自分を拒絶している。
繊細で多感な成長期にそのような環境で育つ子ども達は「絶望」を覚えてしまいます。
レインボールームでは専門家とも連携し、スタッフはそれぞれの子ども達の特徴をつかみ、そのためのコミュニケーション方法を高めてきました(※2)。
だからこそ、笑顔を失い、自傷行為を繰り返すようになってしまった子どももレインボールームで笑顔を取り戻してきています。
世界はあなたを拒絶していない。
あなたはあなたのまま、ここにいてもいい。
あなたのことを私たちは必要としている。
そんなメッセージを私たちは子ども達にいつも発信し続けています。
こうした環境があるから、子ども達は自尊心を取り戻し、安心し、居場所をみつけていくのです。
安心できる居場所があるから、今日はちょっと冒険してみることができるのです。
成功体験が自尊心を培い、冒険は成長につながっていくのです。
※1.神経発達症とは一般的に普及している発達障害という言葉(私たちはさらにこの概念を進め神経発達特性や特徴だと思っています)の現時点での正式名称です。
※2.レインボールームのスタッフは全員「子供発達支援専門員」の有資格者です。また、介護福祉士、栄養士、保育士の資格取得者もいます。ボランティアスタッフとして看護師さんに参加していただき、児童精神科医の先生、放課後等デイサービス、ケアマネさん、学校との連携で活動しています。
How donations are used
寄付金の使い道
フリースクールは現状、親御さんからの月謝にのみ頼った運営を行っています。
しかし、例えばひとり親の方などは、その月謝を捻出するのが難しく、本当はもっと通わせたいのに通わすことのできない親御さんもいます。
子ども達の自尊心を育てていくためにも通っていただいた方がいい場合もあります。
同時に、働くことで収入を得ることができるようになる場合もあるのです。
私たちの活動も多くのボランティアスタッフに支えられています。
そのすべてを一度に解決はできませんが、少しずつ少しずつ、必要とする子ども達が十分に通える環境を。
そして、親御さんが安心して仕事を通し社会参加し、私たちも持続的な活動のための最低限の経営資源がある。
そういう状態を目指したいと思っています。
※行政からの支援の検討が少しずつ進み、とても心強いです!