Purpose
やすおか村の小学生を対象にした学校帰りに集まる児童クラブ。「いってきました」は方言で、「ただいま」の意味です。こどもたちがおうちのように安心して過ごし、自分を発揮できるようにこの名前をつけました。
「自分の在りたいように居られる。お互いにそれを認め合える子」を育て、こども自身が安心できるこども社会を創ることを目的としています。そのために、プログラムや時間割はなく、自分たちがやりたいことにチャレンジしています。
例えば敷地内にある木に登って遊んだり、そこにブランコを作ったり。男の子たちは木材で剣や刀を創ったり、イスや棚を作ってみたり。誰かの誕生日の時には、ケーキ作りやパーティの内容を考えることも。学校が早帰りで時間があるときは、裏山に登ったり、川まで探検したり、地域のお寺に遊びに行ったりと、村全体が遊び場になり、こどもを育てる環境になっています。
Achievements
やすおか村には保育園から中学校までありますが、こどもの人数が少ないため、どこも1学年1クラス。つまり保育園から中学校卒業まで同じメンバーで過ごします。勝手知ったる同じ仲間である一方、関係性が固定化されてしまうことも。「いってきました」での異年齢の関わりはこども同士の関係性を変え、違う一面を見せることにもつながっています。
また預けられる保護者たちは、料理や刃物を使ったり、自由に遊ぶ姿を見て「家ではやらせられないことをさせてもらえる」と話します。山村であれば自由に野山で遊んでいるイメージはありますが、こども人口の減少ですぐに遊びにいける仲間がいないことや、都市化する暮らし様式で失われつつあるものを、この「いってきました」で行うことで村の住民たちが、山村の価値に気づくきっかけとなっています。