Issues we are working on
発展途上国を脱し「中所得国」に位置付けられているジャマイカですが、貧富の差が激しく、低い収入と高い物価のアンバランスに苦しむ人が多くいます。生活保護などの社会保障も十分になく、障害を持つ人たちの受け皿が社会にほとんどありません。NPO法人リンコップジャジャは、障害がある人も社会で役割を持ち、少しでも収入を得て自分らしく生きることを目標にジャマイカの障害当事者を支援しています。
知的障害を持つ生徒が通う特別支援学校では、卒業後の受け皿がないため大多数の卒業生は家で過ごすしかありません。彼らに家から出る機会を持って社会との繋がりを取り戻してもらうため、支援学校内で卒業生を対象に「さをり織り」に取り組んでいます。また、彼らが織った織物を販売し、収益を織り手に還元することで知的障害者の自立支援を行っています。さらには、地域でも「さをり織り」に取り組み、道で物乞いをして命を繋ぐ身体障害者が織物で収入を得られるよう支援しています。
障害を持たない人でも十分な収入を得ることが難しい状況で、障害者が自立した生活を送ることは容易ではありませんが、地域社会が支援の必要性を感じることがインクルーシブ社会に近づく一歩だと考えます。「さをり織り」などの活動を通してジャマイカの地域社会に障害当事者の存在をアピールし、彼らが持つ可能性や魅力について知ってもらうことで、障害を持つ人やさまざまな生きづらさを持つ人たちを排除しない社会の構築に寄与することを目指して活動を続けています。