応援メッセージ:密山 要用先生 コミュニティドクター/在宅医療クリニック「かがやきベンチ」
2026/6/3 10:00

自己紹介
わたしは、岐阜県美濃市で在宅医療クリニック「かがやきベンチ」を営む医師・密山要用です。岐南町・名古屋市・美濃市の3拠点で在宅医療を提供する医療法人かがやきの医師としてはたらいています。
同時にコミュニティドクター(コミドク)として、病院の外——公園や商店街、お祭りの場——で地域の人々とともに、つながりや幸せをつくる活動を続けています。診察室で待つだけでなく、まちそのものに働きかけ、隣人として、友人として、地域をよくする取り組みの仲間として存在する。そんな「まちで一緒に冒険する医師」を全国に増やしていくことが、わたしたちコミドクの目指すことです。
応援メッセージ
「コミドク」として、地域医療とまちづくりの交差点に立ちながら、そして在宅医として患者さん一人ひとりの人生の「しまい」に向き合いながら活動しています。
路上博物館の「閉館プロジェクト」を知って、地域医療の現場と重なる問いに気づきました。
地域の診療所や病院が閉じるとき、人々はすぐに気づき、不安になります。病院は人生に必ず一度は関わるものだから、その喪失は皮膚感覚として伝わります。しかし博物館が閉じるとき、多くの人はすぐには気づかない。博物館の存在は、一人の人間の人生の時間軸よりも長く、ゆっくりと地域に根を張っているからです。だからこそ、気づいたときには取り返しがつかない。その土地のストーリーとアイデンティティが静かに消え、シンプルに「住む魅力のない街」になっていく。病院の閉院より、声は上がりにくい。しかし失われるものの深さと不可逆性は、それ以上かもしれません。
失われるのはコレクションだけではありません。学芸員という専門性、そして友の会などのコミュニティ——その場所が長年かけて育んできた「地域との関係性」や「地域を見る目」が失われること。これは地域の診療所が閉じるときと似ています。
「サイレント閉館」という言葉が胸に刺さったのはそのためです。在宅医療の現場にも「孤独死」があります。どちらも、本来はコミュニティに開かれ、丁寧にそのプロセスがつむがれるべき「しまい」のプロセスが、個別の出来事として孤立したまま繰り返されている。「閉じ方の練習ができていない」社会の問題は、博物館も、人の死も、地域も、等しく抱えています。
「閉じること」を社会がともに学び、練習できるようにすること——このプロジェクトが、領域を越えた「しまいの文化」をつくる起点になることを、心から応援しています。
コミドク 密山要用








