
自己紹介
鳥取大学医学部で地域医療に携わる総合診療医・家庭医であり、対話型鑑賞や医療人文学を取り入れた教育・実践を行っています。日々の臨床では、患者さん一人ひとりの語りに耳を傾けることを大切にしながら、医療の中で生まれる対話や関係性に向き合っています。教育の現場では、アートやナラティブ(物語・語り)を媒介とした対話の実践を通じて、他者理解や共感のあり方を学生とともに探究しています。
近年は哲学、とりわけ現象学への関心が深まり、2025年春より日本大学大学院通信課程(修士)にて、メルロ=ポンティの現象学(両義性と共感)を研究しています。
ご自身の活動×ミュージアム
私の取り組みにおいて、ミュージアムは人と人とが出会い、対話が生まれる「場」として重要な意味を持っています。対話型鑑賞に限らず、アートや文化的資源を媒介に、人々がそれぞれの感じ方や解釈を持ち寄り、他者の視点に触れる。そのような経験は、社会的処方・文化的処方の実践とも重なり、医療において患者さんの語りに耳を傾ける営みとも深く響き合っています。
ミュージアムの価値は、知識の伝達にとどまらず、人と人とのあいだに新たな関係性や意味を生み出す点にあると感じています。そこでは、異なる背景や経験を持つ人々が、一つの対象を介して出会い直し、多声的な理解が立ち上がっていくと考えています。
応援メッセージ
総合診療医/家庭医として地域医療に携わると同時に、医療人文学や対話型鑑賞(Visual Thinking Strategies)を通じて、人が他者や世界と出会い直す場づくりに関心を持って活動しています。
私にとってミュージアムとは、「何かを知る場所」である以前に、「誰かとともに意味を立ち上げる場」です。作品や展示を前にして、人それぞれの見方や感じ方が立ち現れ、それを言葉にし、他者と交わす。そのプロセス自体が、人間の理解や共感の可能性を拡張していく営みだと感じています。
だからこそ、ミュージアムの「閉館」は単なる施設の終了ではなく、そうした対話や関係性の場が失われる出来事でもあります。しかし本プロジェクトが示しているのは、閉館を単なる終わりとしてではなく、「どのように終わるか」を問い直すことで、新たな関係性や意味を生み出す契機へと転換できるのではないか、という希望です。
医療の現場でも、人生の終わりやケアの終結において、「どう終えるか」という問いは極めて重要です。それは喪失であると同時に、関係性の再編や意味の再構築のプロセスでもあります。ミュージアムの閉館をめぐる対話は、こうした人間の根源的な営みにも深く響くものだと思います。
このプロジェクトが、全国のミュージアムにおいて「発展的閉館」という新たな文化を育み、知や記憶、コミュニティが次世代へと豊かに受け渡されていく契機となることを心から応援しています。
応援してくれた方の活動紹介
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