応援メッセージが届きました!#7
2019/9/25 20:59
NPO法人まんまるママいわて
代表理事 佐藤美代子さん
コミュニティオーガナイジングは私にとって、NPO活動の原点であり、道しるべです。
5か月の娘と3歳の息子と自宅にいるとき、大きな地震が来ました。2011年3月11日。東日本大震災です。津波が来る地域ではなかったけれどガラスが割れる音、テレビが倒れる音、今までに経験したことのない地震の中、子どもを守るのに精一杯でした。長く感じた停電が明けた後に、テレビに映ったのは大津波が襲った後の街の様子でした。私の働いていた病院は?同僚は?私の取り上げた赤ちゃんは?親戚は?友達は?頭がぐちゃぐちゃになりながら、何度も流れてくるテレビ映像を見ながら、泣いた日を思い出します。とにかく動かなきゃ。自分が医療者になったのは困った人を助けたいからだ!娘をおぶい、息子の手を引いて、何か自分に出来ることはないか、と始めた妊産婦の支援活動。それが私たちの団体の始まりです。
内陸に避難してきた妊産婦と家族への支援、そこから沿岸被災地への子育てサロン活動。当初は2~3年で終わると思っていた活動はどんどんニーズが深まるばかり。でもどうしたら、活動する資金が得られるの?ビジョンって何?聞いたこともない。そんな2014年、コミュニティオーガナイジングに出会いました。聞いたこともない英単語の羅列。でも、講義と実践を繰り返すワークショップには不思議な魅力がありました。私が知らないことがいっぱい、ここには詰まっている!とっても苦労したワークショップがようやく終わって当時の代表鎌田華乃子が言いました。「日本での実践事例がまだ無いに等しい。実践してみたい方はいませんか?」言っている意味の半分は分からなかったけど手を挙げました。
会議をしたことが無い(仲がいいからしなくてもいいと思っていた)、仲間を増やそうとも思っていない(周りに誰がいるのか見ようともしていない)、ビジョンなんて大それたこと考えたことがない(目の前に妊産婦がいたら寄り添うだけだの精神)、でも夢(産後ケア施設を作りたい!)だけはある。
そんな4人だけの組織が、2014年秋から毎月2時間のミーティングでコミュニティオーガナイジングの単元を一つ一つ実践していきました。仲間は8名に増え、将来の目指す社会像を話し合い、夢へ向かって戦略を立て、実践し、2016年に夢の産後ケア施設開設を叶えてしまいました。
私にとって、コミュニティオーガナイジングは原点であり、道しるべです。そして、それに寄り添ってくれたのはコミュニティオーガナイジングジャパンの皆です。「パソコン怖い」「分からない」「正解教えて」が口ぐせの私に、丁寧にコーチングを続け、ある時は岩手に来てくれ、ある時は東京で会い、2014年の付き合いから5年経った今も私たちに寄り添い続けてくれています。
「お金もない、人もいない、もう駄目だ。宝くじにかけるしかない…」が合言葉だった私たちが夢を叶えた。私はもっともっと日本の人にコミュニティオーガナイジングを知ってほしい。あきらめなくても大丈夫。進む道はあるよ。道しるべもあるよ、って知ってほしい。「やるかやらないか」決めるだけ。決めるときに是非、自分のストーリーを語ってみてほしい。だから、コミュニティオーガナイジングジャパンは必要なんです!
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