理事からのメッセージ紹介②
2022/10/10 09:55
【副理事長:山崎恵子(やまざきけいこ)】
我が国で法律的に認められている補助犬は盲導犬、聴導犬、そして介助犬です。この三種に関してはそれぞれ専門の育成団体が訓練事業や社会啓蒙事業などを推進しています。しかし補助犬の歴史を振り返ってみると障がい者の補助をするという同じ仕事をしているにもかかわらず三種の補助犬の育成に関する情報交換などのあり方は今まで希薄であったと感じられるのです。
補助犬の歴史が我が国よりも長い欧米の現状を見ても各種補助犬の育成がどのようにして始まったかを調べてみるとその出発点はすべて異なるということが判明します。言い換えれば補助犬の世界は補助作業の種類によって分断されており情報交換や協力体制が今までできにくい状況にあったといわざるを得ません。
しかしそのような背景の元で情報センターという存在が極めて大きな役割を果たしてきたのではないでしょうか。使用者、行政、社会の受け入れ先、研究者、そして育成者等すべての人々をつなげる役割は今まで果たすものがいなかったと言っても決して過言ではありません。このようなコーディネートを実践することには大変な労力と資源が必要です。
しかし「犬の姿がない」活動にはなかなか社会の支援が向かないのです。看板となる犬の姿なしに情報をコーディネートしていますと言っても寄付につながらないことも多く情報センターは長年活動を展開させることに苦労してきました。
今後はこのような情報のパイプを維持することの大切さに社会的認識が向上していくことを願わずにはいられません。
一般社団法人 アニマル・リテラシー総研 代表理事 山﨑恵子
【山﨑恵子プロフィール】
ペット研究会「互」主宰
公益社団法人日本聴導犬推進協会副理事長
優良家庭犬普及協会 常任理事
米国ペットパートナーズ協会 認定元インストラクター
動物介在療法コーディネーター
新潟国際ペットワールド専門学校特別講師
*著書*
「ペットが元気をつれてくる」
「ペットのしあわせ わが家がいちばん」
「アニマルセラピー・コーディネーターってなんだろう?」
*翻訳書*
「ドッグス・マインド」ブルース・フォーグル著
「キャッツ・マインド」ブルース・フォーグル著
「犬語の世界へようこそ」テューリッド・ルーガス著
「犬とイルカ」カレン・プライヤー著 その他多数
【理事:入交眞巳(いりまじりまみ)】
獣医師で、専門は動物行動学です。現在は、東京農工大学の付属動物医療センターと埼玉県にあるどうぶつの総合病院の行動診療科にて診療業務もしております。
8年前に職場の上司だった鷲巣月美先生(当時の日本補助犬情報センター理事長)から紹介いただき、初めて日本補助犬情報センターのことを知りました。獣医師でありながら、補助犬については知らない事ばかりで、「なぜこんなに大切なことを知らなかったのか!」と驚き自分にあきれた記憶があります。
補助犬はたまに町で見かけることはあるものの、その役割について、学校でもあまり取り上げられる機会がないので補助犬の活動についてなどなかなか深く知るチャンスがありません。補助犬情報センターの職員が現在地道な活動ですが、学校やイベントに出向いて補助犬のこと、犬たちがどのようなお仕事をしているのか、ユーザーの皆様の生のお声、今の社会でユーザーの方の困っていらっしゃることなど届けてくださっています。1度知識を得ると目からうろこが落ちます。「大変だ、なぜ知らなかったのか」と私のような思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
補助犬の育成をしていないユニークな団体ですが、その分細やかに補助犬とユーザーの方の近くに寄り添っていってくださり、生の声を必要なところに届けてくださっています。この大切な活動がますます認識されて広がっていってほしいと思っています。
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【御礼・特典】
50,000円
30000円コースの内容に加えて、
・介助犬デイジーと聴導犬チャンプの足形入りサンキューレター
・「木村佳友&介助犬デイジー、松本江理&聴導犬チャンプとオンラインでお話してみよう!」参加券