どうしてたくさんの支援団体があるのに、社会課題を解決できないのか。
2022/7/29 00:54
どうしてたくさんの支援団体があるのに、社会課題を解決できないのか。
こういった疑問を持ったことのある方はいらっしゃるでしょうか。
私は高校生の時に国際協力に携わり始めた頃から、ずっとこの疑問をもってきました。ある程度の経験を重ね、事業の責任を負うようになってからも、“疑問”と“課題”として常にこの感覚が残り続けています。
海外では特に、支援団体も政府的立場に近い存在、大企業、中小企業の存在と分かれ、それは対象地で事業を実施する決定権や発言力、投入できる資金などにおいて差があります。善意やヒューマニティを掲げていたとしても、その差があるのは事実だと感じています。
権力やキャパシティをもっている団体だけにリソースが集中して、世界中の社会課題を解決できるのであれば、それが最もシンプルなのかもしれません。
ただ、現実に起こっている社会課題自体はとても複雑で、利害関係も絡まり合っています。
すべての社会課題について人間を中心に考えることはできませんが、多種多様な考え方と立場を内包する、無数の人々からなる社会があります。そこから発生する問題があり、それに対応しようとする人々の考え方や立場も、個人レベルでは無数にあります。
無数の人々から発生する課題を解決するための「正しい」答えや選択が、ひとつであることのほうが、世界には少ないのかもしれません。同じ課題に対して、同じゴールを設定して対応している団体間でも、細かくみていくとその方法や在り方において、互いに違和感を感じることもあると思います。それは決して、どちらが「正しい」という問題ではありません。
効率的でないようにみえても、支援団体としての在り方も多様であることのほうが、健康的なのかもしれないと思っています。
様々な支援団体の形があるなかで、例えば私達はNGOとして自分達を認識していますが、そもそも自己矛盾にあるとも思っています。それは、自分達が実施するような活動が必要のない社会になることが、自分達の望むことだからです。
矛盾を抱えつつ、課題解決ができない理由を検証するのは未だ自分の“課題”のままですが、人々と連携しながら、様々な視点や立場、方法から多種多様な選択肢を生み出していくことに貢献していくことができれば、と今は考えています。
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