持続可能な“生きる”スキルを(スーダン)
2022/7/3 03:20
ホープフル・タッチでは、2018年からスーダンで活動を実施しています。紛争や独裁政治が続き、この数年間も民主化を求めるデモや大統領の失脚、軍事クーデターが発生し、政治的にも経済的も不安定な状態が続いています。
人道危機のほか、貧困や生活水準の低さが大きな課題となっているスーダンで、私達は当初人々の“ライフスキル”に発達の余地があるように感じました。
慢性化している貧困状態は事実なのですが、生活を改善するための人々のスキルが活かされていませんでした。例えば、子ども達の心身の健康を支えるために大きな役割をもつ小学校ですが、経済的困窮を理由に教室の不足、机や椅子の不足、不衛生な環境、水へのアクセス欠如、トイレの不足/欠如、給食の無支給、教材の不足などたくさんの課題を抱えています。
しかし一方で、壊れた机や椅子を修理して再利用する、空き教室を清掃して活用する、保護者や教師で課題に取り組むといった、お金がなくてもできることに、着手されていないことがほとんどでした。
もちろん、政治的腐敗や省庁からの補助が圧倒的に不足しているのですが、身の回りでできることを話し合い、解決しようという取り組みはなされず、誰かが資金提供してくれるのを待っているだけ、という状況がほとんどでした。
そこで、特に遠隔農村地にある小学校に私達が提案したのが、学校菜園事業です。学校やコミュニティがすでにもっている環境的・人的資源を活用しながら、多種多様な課題へ持続的・自立的に取り組み、子ども達がライフスキルを身に付けるひとつの方法です。
現在は6つの小学校で、生徒と先生、保護者の方々により学校で野菜や果樹を栽培し、収穫物は食糧や収入源として活用されています。菜園での活動だけでなく、農業や菜園マネージメント、健康や栄養など、子ども達の基本的な生活を支えるトピックに関する実践的なトレーニングも実施しています。
物理的に生き抜く力だけでなく、チームワークや問題解決能力など、子ども達の心理社会的なスキルの向上にも寄与しています。
時間のかかる取り組みですが、子ども達が楽しみながら、よりよい生活を自ら切り開いていかれるスキルを身につけてほしいな、と思っています。
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