ゆざわかい、福島に来て10年が経ちます<3.11に際して>
2022/3/12 20:29
東日本大震災から11年。2012年3月に初めて福島に降り立ってから10年が経つ。僕はいつの間にか26になって、福島で働いている。
今年もまた、3.11という日をどんな顔をして過ごせばいいか、やっぱりわからなかった。
今日は、母校灘校の池田先生にお誘いいただき、神戸西宮の高校生が「東北」「福島」と「神戸」とを語り合う交流会に、白河の高校生をオンラインで送り込んでみた。
神戸の高校生たちが「震災に対する切り口は無限大で、だからこそ自分の関わりたいことで関われるはずだ」と言っていた。医療や食、衣服などそれぞれ関心のあるテーマで3.11からの11年を検証しようと試みていて、はっとさせられた。
福島では震災や復興は現在進行形だからか、どうしても「ふくしまの今」に着目しがちで、テーマも放射能や避難指示や廃炉に寄ってしまう。あらゆるテーマがあったり、検証したりする意識に乏しかったことに気づいた。
一方、白河の高校生は「進学での上京を目前にして、風評被害や放射能差別があるんじゃないかと心配だったけど、忘れられていると聞いて安心した。でも忘れられるのって良くないことなんじゃないか」と語っていた。安心できてよかったと思った。白河の高校生に、自分の県で起きたこと起こっていることを知ってほしいし、社会の課題に対してその「社会」の内側に僕らはいるんだと考えてほしいとも思うけれど、背負わせたくはない。忘れてはならない、知らなくてはいけない、ではなくて、向き合ってみる背中を押したい。
自分ごとにするってなんだろう。僕はもはや自分ごとなのか他人事なのか分からなくなってきた。被災者でないのは確実だけれど今ここにいる当事者かもしれないと考えることもあるし、自分の居場所を求めて福島にたどり着いた僕は独り善がりなんじゃないかと、ここにいていいのか途方もなく不安になることもある。課題を面白がれる共事者にはなれていないなとも思う。
楢葉で 大学生向けプログラムを実施中のNPO法人底上げの矢部寛明さん(ひろさん)にどうしても会いたくなって突撃した。10年前、高校時代からお世話になっている、憧れの人だ。
「かいはもうすっかり福島の人だね」ってひろさんに言われて、「そうですねー」なんて軽く答えて迎えた3月11日。神戸の高校生たちからしたら、ほんとに福島の人なんだなって実感が追いついてきた。
自己認識が揺れ動く中、確かなのは、ひろさんをはじめ、僕は本当に多くの白河・福島・東北の皆さんに支えられていて、「湯澤魁」という固有の存在を受け入れてもらっているということ。ありがたい。
僕は僕のために、自分の居場所を守るために、そしてそれがみんなの居場所をつくっているのだと信じて頑張ります。
ぜひEMANON応援団になって、支えてください!
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