〜コミュニティ・カフェEMANON応援団100人募集!〜
白河市のコミュニティカフェが、「若者がいつでも・何度でも地域と関わることができる社会」のシンボルになれるよう、10年先もその先もずっと続く仕組みづくりにあなたと一緒に取り組みたい!
西暦2011年、大学のないまち白河では、高校卒業は、若者が地域と関わる機会の喪失を意味していました。新しいチャレンジをする世代の姿が見えない。若者が離れていく過程を通じて、街全体が自信を失っていました。
西暦2021年、まちなかのとあるカフェには、現役の高校生と、地域を離れた大学生と社会人とが、未来や人生を語り合う景色がありました。なんとなく、この場所にくれば、自分の知らない自分や、まだ会ったことのない誰かに会えるかも、そんな雰囲気がありました。
西暦2031年、地方都市の未来は、白河から生まれていました。大学がなくても、高校生や若者が地域の中でチャレンジが生まれる瞬間に立ち会うことで、社会について学び、自分の可能性を信じ、地域と関わる自分を肯定することができる。そんな景色があたりまえになったまちが白河だからです。
EMANONの課題と、現在の地方都市の高校生と若者の課題とを受け止めて、今回、2つのプロジェクトを立ち上げます。
地域と高校生のマッチングプラットフォーム『ユースボラセン』、そして白河ゆかりの人が、意志ある関係人口として、いつでも白河とつながり、利他の循環が起きる『オンラインコミュニティ』。
プロジェクトの実行と継続のために実施する今回のキャンペーンでは、未来の準備室として史上はじめて、寄付者を募集します。10年先もその先もずっと続く仕組みづくりに、あなたの力をお貸しいただけませんか?
ストーリー
"しらかわ"を若者の居場所にし続けるために。
こんにちは。一般社団法人未来の準備室 理事の湯澤魁です。
私たちは、「若者の地域社会参画」をテーマに、東北の玄関口・福島県白河市で「コミュニティ・カフェEMANON」を運営しています。
高校生が放課後に集まる古民家カフェ
コミュニティ・カフェEMANON(エマノン)は、白河市本町9番地にあるリノベーション古民家カフェ。最大の特徴は「高校生びいき」です。
高校生は、注文をせずとも、何時間でも無料で過ごすことができます。福島県産木材をふんだんに使った室内は、Wi-Fiや書籍、ボードゲームも自由に利用可能。そして、ちょっとした相談事やおしゃべりを、いつでも20代のスタッフが歓迎しています。
家と学校の間にある、地方都市の高校生のためのサードプレイスを目指したい。2015年度に白河市との協働によりオープンして以来、6年間に渡って、地域の高校生の居場所・活動拠点として運営を続けてきました。
高校生の「やってみたい」に伴走する活動拠点
EMANONでは、高校生が地域を舞台とした実践型探究学習(マイプロジェクト)に取り組むことができるよう支援しています。
「手話をつかってみたい」という高校生の声から生まれた障がい者と健常者が垣根を越えて交流できるイベント「手話カフェ〜しゅわしゅわ〜」。「白河を"映え"させたい」という高校生が、建築学を学ぶ大学生や町内会、市民センターと出会って生まれたイルミネーションやフォトスポット。そのほかにも、駅前書道パフォーマンスや、浴衣でまちあるきする写真撮影会などなど。1年間を通じて10を超える多種多様な高校生発のプロジェクトが生まれています。
私たちの役割は、高校生が自分自身のやってみたい、挑戦してみたい気持ちに気がつき、最初の一歩を地域で踏み出すための伴走支援をすること。
押しつけの地域の魅力ではなく、高校生が自ら地域の魅力や課題を見つけて、その過程で地域の大人と出会ってほしい。白河での経験が、世界中のどこにいても、その自信が次のチャレンジの背中を押すことに繋がってほしいと思っています。
EMANONが、若者がいつでも・何度でも地域と関わることができる社会のシンボルになれるように、10年続く仕組みづくりをあなたと一緒に取り組みたい!
高校生びいきの古民家カフェの運営にあたって、もっとも大切にしていること、それは、高校生との日常的な交流と対話です。お互いの顔の見える関係性が生まれ、どんな理由でもカフェに来てもいい、自分の気持ちを言葉にしてもいいという気持ちの源泉です。
なので、EMANONスタッフの重要な資質のひとつも、1年間に渡って高校生の日常に寄り添うこと。きょうも放課後、本町9番地にいけば、私の話を聞いて受け止めてくれる、ちょっと大人のあの人がいる状況を、地域の高校生に届けることです。
保護者や教員以外の大人と、自分の意志で関わる最初の経験。この場に立ち会ってきたのが、室長こと青砥和希であり、シェフこと青砥侑紀であり、今回のプロジェクトリーダーの湯澤魁。そしてこれまで、福島大や東北学院大、都立大、明治大、東北芸工大、早稲田大、宇都宮大など、たくさんのインターン生が、白河の高校生に向き合ってくれました。
しかし、現在のEMANONには大きな課題があります。
それは、スタッフもまた、ひとりの若者であること。いま目の前の高校生に寄り添うことは、これからも3年5年10年とカフェに勤務することは約束しません。「若者がいつでも・何度でも地域と関わることができる」白河は、誰かがずっとその場所に縛りつけられることを意味しません。大学生・社会人になった若者の帰りを、高校時代の日常に寄り添ったスタッフがずっと待ち続けるのはとても難しい。
私たちは、白河出身の若者をおかえりといって迎えてくれる地域づくりと、高校生に寄り添うスタッフがキャリアを自律的に選択できることを、両立させたいのです。
だからこそ、今回取り組むプロジェクトを通じて、「EMANONだけが高校生の居場所と活動の場所」だった状態から「まちが丸ごと若者の居場所」になる状態を目指します。それは、だれか特定の個人に地域づくりを背負わせない、新しい地域づくりの"白河モデル"。白河で立ち上げ、白河ゆかりのみなさんと一緒につくるモデルが、3年、5年、10年と続き、日本中に広がるといいなと思っています。
今回取り組むプロジェクトのひとつは、EMANONと高校生とのつながりを基盤に、地域と高校生の仲介(コーディネート)機能をしっかりと担えるよう、地域と高校生のマッチングプラットフォームをつくること。
もうひとつは、白河ゆかりの人たちが、意志ある関係人口として、いつでも白河とつながり、白河の持続可能性を支えることができるコミュニティをつくること。
ここまでプロジェクトページを読んでくださったみなさんには、寄付を通じて、このプロジェクトの応援団員として、参画してもらいたいと思っています。
ここから先は、プロジェクトの具体的な仕組みについて説明します。ここまでの理念だけで参加します!という気持ちになってくださった方は、読み飛ばしても大丈夫です。
プロジェクト①
地域と高校生のマッチングプラットフォーム『ユースボラセン』
EMANONはこれまでもこれからも、探究学習・マイプロジェクトの活動拠点として、高校生が主体的に「やってみたい!」を表現できる場所です。地域の課題も自身の課題も一挙に解決してしまう探究とマイプロジェクトの可能性は無限大。一方で、いきなり「自分らしく」「やりたいことをやろう」と言われても、地域も社会もわからないよと、周囲の期待にむしろ心折れてしまう高校生の姿も見てきました。
私たちが、高校生と地域の幸せなつながりづくりのためにもらったヒントは、これまでたくさんの地域団体から依頼を受けて、地域活動に高校生が参画しやすくなる調整や情報発信や研修を行ってきたこと。高校生と地域とをつなぐ「コーディネート」役をリクエストされて、散発的に実施してきたことでした。
例えば、「ボルダリングジムのホールドのお掃除を、手伝ってほしい!」まちにクライマーの居場所をつくっている薬局さんからのお声かけを、1DAYボランティアのかたちにして情報発信。
地域のニーズと高校生の気持ちやエネルギーとをつなぐ。
これまで地域になかった、高校生がアクセスできるコーディネート機関として『ユースボラセン』という旗を立てて、4つの機能を実装したいと思っています。
プロジェクト②
<白河ゆかりの人が、意志ある関係人口として、いつでも白河とつながり、利他の循環が起きるコミュニティ>をつくる
高校を卒業し白河を離れた学生や社会人たちが、帰省の際にEMANONに顔を出してくれます。2020年にオープンしたゲストハウスブランも、大学生が地域に飛び込む拠点として活用されています。そして、地元出身の大学生・社会人が、自ら白河で活動する動きも出てきています。EMANON利用者OBOGを中心に構成されたチームが実施した「白河若者会議2021」では、200人以上の来場者に若者の声を届けました。
ゆかりある若者たちが、学びを持ち帰ったり、住んでいる場所は違っても地域の未来のために議論を興したりする景色が、少しづつ白河に増えています。
しかし、意志ある関係人口としての若者が、白河とつながり続けるには、いまは仕組みがありません。社会人となった若者が、高校生のようにふらっとカフェを訪れるのも、大学生のように活動するのも難しい。
オンラインコミュニティは、白河出身者や、ゆかりを持ちたい人、そしてこのマンスリーファンディングの支援者である応援団のメンバーが、ゆるやかにつながる仕組みです。
EMANONのスタッフやコーディネーターが、最新の白河の情報を共有します。高校生や地域の事業者、もしかしたらスタッフ自身の困りごとを、みなさんに相談するかもしれません。会社員や研究員の方には、プロボノ的な相談と関わりもお願い!してしまうかもしれません。
白河という地縁をきっかけに、でも地縁で閉じられていないゆるやかなオンライン上のサードプレイス。それは、高校時代は地域に支えられる側だった学生や社会人が、無理なく高校生や地域を支える側に回ること。数年の時を超えて、物理的な距離も超えて、利他の気持ちが循環していくコミュニティをみなさんと一緒につくれたらと思っています。
あなたと一緒に白河モデルをつくりたい
熊本県から白河を訪ねてくれた地域教育コーディネーターから、白河を訪問した後に言われた言葉があります。「とにかく、生まれてしまったエマノンという場所に、惹かれて集まった優しいスタッフたちの、それぞれの物語があまりにも味わい深くて、甘酸っぱくて、なんだか泣ける。」
こそばゆい気持ちもありますが、とにかく、若者と地域のつながりを諦めたくない一心で生まれてしまったエマノンという場所には、惹かれて集まってくれたたくさんの若者たちがいます。これまでに2300人の高校生・大学生が、エマノンの会員証を受け取り、古民家カフェをつかってくれました。
若者と地域との関わりの最前線はここ白河本町9番地。私たちだからこそできる新たな仕組みづくりに挑戦したい。EMANON応援団員になって、一緒に未来をつくってください。あなたの居場所も、ここ白河にあります。
会費は、仕組みの設計や運営に係るコーディネーター人材の育成や人件費に充当します。いま、カフェを運営している仕組みに加えて、もうひとりの人間が働くために、最低月々14万円の人件費を準備したいと考えています。今回、募集する応援団員はまず100人。EMANONのスタッフが、ユースワーカーという職能に加えて、コーディネーターというスキルを身につけ、育てる投資だと思ってくれたら嬉しいです。
一緒に、白河モデルをつくる仕掛け人になりましょう。みなさんの参画、お待ちしています!
応援団長メッセージ
エマノン設立の最初期から参加し、高校3年間をエマノンでの活動に捧げ、卒業して社会人になってからも継続して関わり続け、多くの利用者に慕われている邊見晃輝さん(通称:団長)に、コミュニティ・カフェEMANON応援団長に就任していただきました。
市長応援コメント
本キャンペーンを実施するにあたり、鈴木和夫白河市長より応援メッセージを賜りました。
おわりに
〜私の居場所である白河を、若者の居場所にし続けます〜
縁もゆかりもなかった白河に、EMANONで働くために関わり始めて早4年が経過します。
地元と呼べる出身地も無く、通っていた大学にも所属している感覚を持てなかった4年前の私。住んでいた東京では、不特定多数の内のひとりとして、自分がいても許される「私の居場所」は属性や能力によって自ら選び獲得しなくては得られないものでした。極端に言うと、自分や自分の未来に自信を持てない私は、この世界に存在していていいとは思えませんでした。
EMANONで働くようになり、高校生ひとりひとりに声をかけていたら、「魁さん、こんにちは!」「魁さん聞いてください!今日食べたアイスが美味しかったんですよ」なんて話しかけてもらえるようになりました。カフェから外に出て商店街を歩いていても、地元の方から「湯澤くん」と声をかけられます。若者の居場所をつくる側であったはずの私のほうこそが、周囲から名前を持つ固有の存在として認められ、ここ白河が「私の居場所」になり、救われました。
私は、白河の高校生や出身ゆかりの若者に「自分が存在していいんだ」と思ってもらいたいし、安心してこの人生を生き抜いていけるよう、EMANONや白河を彼ら彼女たちの心の拠り所のひとつとしてもらいたい。
正直に言えば、私は「よそ者の自分なんかが白河の未来を語る資格はない」「白河の未来を語るほどの責任は持てない」と、つい最近まで考えていました。骨を埋める覚悟なんて持てないし、背負うことが怖かったからです。
転職や転出の可能性も念頭に置きながら、自分のこれからのキャリアを検討するにあたって、EMANONや白河と自分がどう付き合っていきたいか改めて考えました。そして、自分が居場所をもらっていることを再確認し、白河やEMANONが「私の居場所」だからこそ、これからも続いてほしいし、自分が続けていく役割を担いたいと想いを新たにしました。
今後、より多くの若者にとって、白河が、自分の存在を認められる「私の居場所」のひとつであるような未来をつくるために。それが地域の持続可能性を高めると信じて。私ひとりではもちろん、EMANONだけでも達成できません。
このページを立ち上げるだけでも怖いけれど、いや怖いからこそ、声を大にして、助けを求め、応援団のみなさんと一緒に未来を準備していきたいです。
どうかご参加のほど、よろしくお願い致します。
コミュニティ・カフェEMANON
湯澤 魁