私たちの取り組む課題
どんな状況でも、その人が自分らしさを取り戻し、未来を選べるように──それが私たちの願いです。
私たちは、安心して過ごせる環境の提供と、妊娠期から産後まで寄り添う支援という二つの事業を通して、女性や母子の困りごとに寄り添い続けています。どちらの現場でも共通して見えてくるのは、誰にも言えず、生活や妊娠・子育ての不安をひとりで抱え込んでしまうという現実です。頼れる人がいないまま孤立が深まり、心の負担が大きくなってしまう方は少なくありません。
妊娠や子育ての大変さが“個人の責任”とされがちで、社会全体の課題として見えにくいことも、日々の支援の中で強く感じるところです。若くして妊娠した方への偏った見方や、相談しにくい空気が、女性や母子をさらに追い詰めてしまいます。
一方で、安心できる場所で生活を整えたり、妊娠期から継続して寄り添うことで、不安や緊張が少しずつほどけ、自分らしさを取り戻していく姿にも出会います。ほんの小さな支えが、表情を変え、その人らしい未来を選び直す力になっていくことを、何度も目にしてきました。
また、幼い頃から困難が続きすぎたことで、自分が「大変な状況にいる」と気づけない若者もいます。困難が“当たり前”になり、相談していいことだとすら思えず、誰にも頼れないまま苦しさを抱えてしまう課題も、二つの事業に共通して感じられるものです。
人と人が支え合う温かさに触れることで、「守られている安心感」や「誰かを思いやる気持ち」が心の中にそっと育まれていきます。その温かさは、そばで育っていく子どもたちの中にも自然と芽生え、優しさの“世代間バトン”として受け継がれていくと信じています。
孤立や孤独を防ぎ、安心して「助けて」と言える地域をつくること。
人は何色でもいい。比べなくていい。自分のままで生きていい。
この思いを大切にしながら、女性や母子の困りごとに寄り添う二つの支援を続けています。
なぜこの課題に取り組むか
困りごとをひとりで抱えなくていい社会をつくるために
私たちのもとには、誰にも頼れず、ひとりで悩みや不安を抱え込んでしまう女性や母子が多く訪れます。妊娠や生活の問題を「自分の責任」と受け止めざるを得ない状況や、相談しづらい空気が、孤立をさらに深めてしまうことも少なくありません。
支援が必要でも「助けて」と言えず、苦しさを抱えたまま過ごしてしまう人たちがいる現実を、私たちは日々の関わりの中で見てきました。幼い頃から困難が重なり、それが“当たり前”になってしまっている若者もいます。自分がつらい状況にいることにさえ気づけず、誰にも頼ることができないまま生きてきた人もいます。
そんな中で、安心できる場所に身を置き、人に寄り添われる経験を重ねることで、表情が変わり、心が少しずつ前を向いていく瞬間に何度も出会ってきました。ほんの小さな支えが、自分らしさを取り戻し、未来を選び直す力になる――その変化が、私たちがこの課題に向き合い続ける大きな理由です。
そして、人と人が支え合う姿は、そばで育っている子どもたちにも自然と伝わっていきます。安心や優しさが“世代のバトン”のように受け継がれることで、孤立や暴力の連鎖を断ち切る力になると信じています。
誰もが「助けて」と言える地域をつくること。
人は何色でも、どんな背景でも、自分らしく生きていい社会を育てること。
そのために、私たちはこの課題に取り組み続けています。
支援金の使い道
皆さまからいただいたご寄付は、困難を抱える女性や母子が安心して過ごし、
自分らしさを取り戻していくために、大切に活用させていただきます。
● 日々の生活を整えるための支援
食事・衣類・日用品など、生活の基盤を整えるための物品提供に使われます。
安心して暮らせる環境が整うことで、心が落ち着き、次の一歩につながります。
● 妊娠期から産後まで切れ目なく寄り添う支援
妊婦健診への同行、出産前後の見守り、必要な医療や行政との連携にかかる費用に使われます。
ひとりで抱え込まないための「寄り添い」を支える大切な活動費です。
● 同行支援や面談の体制を整える費用
交通費・面談室の環境整備・専門職の配置など、
安心して話ができる場を維持するために役立てられます。
● 子どもが安心して育っていける環境づくり
母子への寄り添い、必要な物品支援、子どもの育ちを支える取り組みに使われます。
安心が次の世代へ受け継がれるように、丁寧に活用します。
● 安心して過ごせる場所を守り、継続して運営していくための費用
施設の光熱費、備品、必要な安全対策など、
「またここに来ていい」と思える環境を維持するための費用にあてられます。

