私たちの取り組む課題
・『安心して心地よく過ごすことのできる場所づくり』
この法人でお世話になっている庭師さんは、植物をただ植えるだけでなく、木漏れ日や風の心地よさ、園庭にやってきた小鳥のさえずりなど、子どもたちが五感を働かせながら自然に触れられるよう、できるだけ自然に近い形で環境を整えてくれています。
私たち保育者も、その場所で過ごす子どもたちの様子や願いを照らし合わせながら、納得のいく環境を提供していきたいと考え、一つずつ整えています。子どもたちが日々過ごしていく保育室や園庭、触れる家具など、様々な環境がある中で、”どの素材を使ったものが良いのか?”、”子どもたちの発達にとってよりよいものは?”、”思わず〇〇したくなるような心地よいものは?”と一つずつ色々な視点を持ちながら丁寧に選んでいます。そして、子どもも大人も、誰もが目の前の環境と丁寧に関わり、長きにわたり今ある環境の一つひとつが、大切に受け継がれていくように‥‥ものとの丁寧な関わりを大切にしています。
また、環境を整える上で私たちが最も大切に考えていることは、”一人ひとりが自分らしく過ごせる場所”を保障するということです。それぞれに心地よいと感じること、もの、空間は違い、またその時々の心持によっても違うため、一律に決められた場所で過ごすのではなく、それぞれが自分で選んで過ごす場所を決められるようにしています。自分のやりたいことが実現できる、自分がホッとして過ごせる、自分が関わることで変化が起きる、安心と驚きと発見に満ちた豊かな環境を子どもたちのために整えていきたいです。
・『同じ場所で共に学び合える環境づくり』
特に障害のある子どもは幼稚園や保育園で一緒に過ごしたとしても、小学校入学を機に特別支援学校へ通うことが多いです。個々の障害に応じた教育を受けることができる反面、幼い頃から一緒に過ごしてきた友だちと離れてしまい、地域社会との交流も少なくなり、悲しい思いをしている子どもや親がいます。
一緒に過ごしてきた子どもたちにとっても、今まで障害のあるなしで区切られることなく一緒に過ごしてきた仲間がいなくなるということで、当たり前に支え合ってきた環境を絶たれることになってしまいます。
当たり前にあった生活を大人が勝手に切り離し、今度は「交流」などという形で繋がろう‥‥そう子どもの環境を大人の都合で変えてしまうのではなく、大人の固定概念や考え方を変え、障害の有無も含めて色々な個性や背景を持つ子どもが集まり、同じ場所で共に学び合うことにより、両者にとってより充実した学びができる環境を整えていきます。
すべての子に居場所があり、すべての子どもの育ちを保障する、そのような環境の中で子どもたちは、人との関わり方を学び、お互いを尊重し合う心を育んでいく‥‥そんな子どもたちが大人になった時、共に生きることが当たり前の景色となっていきます。
・『すべての子どもたちが安心して自分の生きる地域で育ち合う』
障害やアレルギー、医療的ケア、出身国や文化などにより、子どもたちの過ごす場所や施設が限られてしまい、自分の生きる地域で育っていくことが難しくなっているという現状があります。その一つの背景として、国の定める保育士の配置基準が挙げられます。どの子も区別されることなく、安心して地域で育つ環境を作っていくためには、現在国で定められている保育士の基準では補いきれません。子どもたち一人ひとりのことを想い、誰もが心地よく安心して過ごしていけるような保育や子育て支援、環境づくりに共に全力になれる‥‥そんな子どものために夢中になれる大人が必要です。
「人」も、子どもたちが安心して過ごすために大切な環境になります。国の定める配置基準以上の配置をすることで、どの子も区別されることがなく、自分の生きる地域で育っていける、そんな環境を整えていくための大きなきっかけとなっていきます。
・『地球のくらし保育園』
令和8年4月、南アルプス市に県内初の持続可能な暮らしをコンセプトにした保育園及び児童発達支援センター等の複合施設『地球のくらし保育園』を開設予定です。
パーマカルチャーデザイナーの四井真治さんにご協力いただきます。
乳幼児期の感受性豊かな時代の原風景として持続可能性を高め続ける環境づくりを実践し、土地の自然や風土を理解し生きる、人と自然が共生し、命を巡らせ続ける仕組みを教育実践から始めていきます。
南アルプス市の景観や景色を守る
・地球のくらし保育園
・地球のくらし小学校
・地球のくらし中学校
と中野の棚田の周辺に作っていきます。
命の仕組みに基づいた暮らしを、日々積み重ねる先に文化が作られていきます。
全ての人が愛され、命の仕組みに存在することを認められる社会を作っていきます。
お力添えをよろしくお願いいたします。
なぜこの課題に取り組むか
生まれてきた子どもたちを全ての親が心から喜べる社会の仕組みや環境づくりを目指して
次世代を生きていく子どもたちや未来の社会のために、今を生きる大人たちが仕組みや環境を作っていかなければなりません。
障害やアレルギー、医療的ケア、出身国や文化などのあらゆる枠にとらわれず、誰もが安心して自分らしくありのままに生きていけるような社会。
一人ひとりと丁寧に向き合うために必要な「もの」、「人」という豊かな資源、環境。
誰もが幸せに暮らしていけるよう、私たちが今出来る支援や行動を積み重ねていきたいです。
寄付金の使い道
・障害児、医療的ケア児、外国籍児、アレルギー児等が人の配置や国の予算を理由に入園を断られることのない体制を作っていく。
・全ての子どもたちが分けられることなく共に学び合える新しい社会福祉施設の在り方を実現させていく。(幼稚園・保育園、小学校、中学校、高校、大学の一貫教育など)
・国の基準を超えて整備された環境の中で過ごした子どもたちがどう育っていくのか、どのような力が育まれていくのかを社会に発信していく。