私たちの取り組む課題
毎年、社会的養護(児童養護施設や里親家庭等)のもとを巣立つ若者が数多く存在します。しかし、こうして保護を離れた若者に対する公的な支援は不足しているのが現状であり、自立後に貧困や孤独に陥る若者が後を絶ちません。”これから” という一番重要なときに、支援の手が途切れてしまうのです。
気軽に頼れる存在が身近になかったり、存在としてはあっても頼ることができなかったりと状況は様々ですが、そのような若者が明るみになるのは大抵、 ”何かが起きてから” です。そこからの復帰には多くの時間や労力、エネルギーが必要となります。そうなってしまう前に何かができれば、そういった若者の生活は少しでも変わっていくのではないかと思います。
なぜこの課題に取り組むか
社会的養護のもとから一歩外に踏み出すと、突然広い社会の中での生活が始まります。それまでは "みんなで" だったことが "1人で" になり、"誰かが" やってくれていたことが全て "自分で" やらなければならないことになります。これが多くの場合、3月から4月に切り替わるたった数日を境に起こるのです。
このギャップに心や身体を壊してしまう若者、安定した生活を送れなくなる若者、知らないことだらけの中、不安や心細さを感じながら生活している若者が多くいます。そのようなとき、"すぐに帰れる場所" や "気軽に頼れる存在" がなかったり、あってもいろいろな想いからなかなか頼ることができなかったりするのが現状です。
"そうなってしまったとき" に支えとなる存在や、手を貸してくれる存在はもちろん必要ですが、"そうなる前に" "そうならないように" 何かできることがあるのではないかと思います。
そうなってしまうのは "その子の問題" ではなく、それを防ぐための環境や機会を提供することができていない "大人や社会の問題" だと思います。私たちはそんな環境や機会を提供できるよう活動していきます。
寄付金の使い道
社会的養護経験者を対象に、"居場所づくり" や "自立のお手伝い" のために開いている「よりどころ交流会」を今後も継続的に開催していくための費用、また団体活動を継続して行なっていくための運営費として使わせていただきます。
さらに将来的には、決まった場所で日常的に開かれた「社会的養護経験者が地域や社会とつながれる居場所」づくりのために充てさせていただきたいと思います。