私たちの取り組む課題
私たちは現在、子どもたちの学ぶ機会が少ないラオスの教育課題に取り組んでいます。
私たちが実際に活動しているラオスの首都ヴィエンチャン郊外にある村の小学校の先生から聞いたお話では、
ヴィエンチャン郊外の小学校では
①図書館がなく本が乱雑に置かれている状況
②教科書の数が少なく、1冊の教科書を3人で使っているという状況
があります。
思考力の基礎を養うための教科書や本を読む環境が整っていないために、ラオスの子どもたちが将来の可能性や夢の選択肢を広げられないことが、大きな課題だと私たちは考えます。
そこで、私たちはラオスの小学校に図書館を新しく建設することで、子どもたちが教科書や本に触れる機会を増やしてもらおうと活動しています。
そして2016年12月から始まった大きなプロジェクトとして、ヴィエンチャンから車で約2時間程のところに位置する「バンドン(Bang Dong)村」という村にある小学校での図書館建設に取り組んでいます。これは、「さくら国際高等学校」と協力してラオスの貧困村に図書館のある公立小学校を建設する共同プロジェクトです。「さくら国際高等学校」は5つの教室、FUNは図書館の建設を担当しています。
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以下、『FUN』立ち上げについてさらに詳しくご説明します。
前代表菊間大輝(以下菊間)が大学2年生の時に参加した、一般財団法人青少年国際交流推進センターの自主事業「タイ王国・スタディーツアー2015」での経験がきっかけである。
このスタディーツアーは、タイの児童養護施設を訪れ子どもたちの生活環境を知ることと、現地で行われる青少年健全育成プロジェクト「For Hopeful Children Project(FHCP)2015」にボランティア・スタッフとして参加し、現地の実行委員と共同して子どもたちをサポートすることを組み合わせたプログラムである。そのFHCPで、菊間がある男の子と仲良くなり、通訳を通して「夢は何なの?」と質問をした。するとその子は「ぼくはソルジャーになりたい」と答えた。菊間は、夢を持つことは素晴らしいことだが、日本では聞きなれない回答に戸惑い、タイの青年にこの話を伝えた。すると彼は、「児童養護施設や孤児院で暮らす子どもたちの中では、十分な教育を受けていないために、外の世界を全く知らない子どもがたくさんいる。おそらくその男の子は外の世界を全く知らない。そして、1年で児童養護施設の外に出ることができる唯一の機会がこのFHCPで、ここではかっこいい海軍のお兄さんが遊んでくれる。だから、FHCPに参加する多くの子どもたちはお兄さんたちのようなソルジャーになりたいと思っている。」といった。菊間は、子どもたちに夢を与えている海軍の偉大さを感じるとともに、恵まれていない環境が子どもたちの夢の選択肢をも制限している事実を初めて知った。日本では当たり前のようにいくつかの選択肢の中から夢を選ぶことができ、それをかなえられるかどうかに焦点を当てがちだが、それは今まで当たり前のように受けてきた教育のおかげだということに菊間は気が付いた。この経験から、菊間は世界中の恵まれていない環境に住む子どもたち、つまり環境のせいで夢の選択肢が制限されている子どもたちのために何かできることはないかと考えるようになった。
その後、2016年の夏に菊間の親戚で、「学校法人さくら国際高等学校」の学園長を務める荒井裕司(あらい ゆうじ)さんにお会いする機会があった。その時に菊間の経験と決意を話したところ、さくら国際高等学校が10年以上続けているラオスでの学校建設プロジェクトを紹介していただいた。この活動は、教育を通して子どもたちの夢の選択肢を広げるといった、まさに菊間がやりたいと思っていたものであった。そこで、菊間は横浜国大の学生にも自分のように国際協力や海外に興味を持っている学生が一歩踏み出す機会が必要だと感じ、ボランティアサークル「FUN」を立ち上げた。
(『2018年横浜国立大学海外ボランティアサークル「FUN」説明資料』より抜粋して引用)
なぜこの課題に取り組むか
私たちは、思考力の基礎となる本に触れる機会が増えることで、子どもたちの将来の可能性や夢の選択肢は広がっていくと私たちは考えます。
そこで私たちはラオスの小学校に図書館を新しく建設し、子どもたちが教科書や本に触れる機会を増やすために活動しています。
〈活動によって期待される効果〉
①図書館を建設し、教科書や本を増やすことで、教科書を買えない子どもでも図書室から教科書を借りて勉強できる。
②本を通して村に住む子どもたちが知らない世界を知り、将来に対して可能性や夢の選択肢を広げることが出来る。
村からほとんど外に出たことがない彼らが、本を通して「学ぶことの楽しさ」を知り、外の世界に対して「夢」をもってくれたらという想いで活動しています。
寄付金の使い道
これまでの活動で、バンドン村の小学校に「図書館」を建設することができました。しかし、まだ子どもたちが本に触れる環境を整えることが完全に出来ていないのが現状です。
そのため、頂いた寄付金は今後の活動で、以下のことに使わせていただきます。
本や絵本の寄贈
子どもたちにとって、教科書だけでなく、本や絵本からも多くの学びや知識が得られるのではないかと思っております。本は、ラオス現地で調達するものから、日本で絵本を集めてラオス語に翻訳し現地にもっていくものまで、様々な手段でこの図書館に子どもたちのためになる本を置くことが出来ればと思います。
図書館の設備、管理費
持続的に子どもたちに図書館を利用してもらえるように、図書館の設備を整えるための費用のために使わせていただく予定です。まだ、具体的にどのように管理していくことが最善であるかは話し合いを重ねている最中ですが、ここで自分たちにとっても学びを深めることが出来ればと思っております。
しかし、COVID-19の影響により、昨年は1度もこの小学校に訪問することができていません。
頂いた寄付金が、どのように使用させていただいたかについてすぐに皆様にお知らせすることができない可能性がございますが、寄付金を使わせていただいた際にはしっかりご報告させていただきますので、どうかご理解とご協力をお願い申し上げます。
※現在建設した図書館について
写真は、プロジェクトの活動拠点となるバンドン村の小学校に建設された図書館の様子です。
2016年12月にプロジェクトが始まり、2018年8月にスタディーツアーを行った際には「着工式」を行いました。そして、2019年9月のスタディーツアーの際には図書館の「開校式」まで行うことができました。ここまで辿り着くことが出来たのも、FUNの活動に賛同してくださり、募金活動やイベントでご協力くださった皆様のおかげです。この場をお借りして感謝申し上げます。
しかし、プロジェクトとしてこれで終わりではなく、今はまだこの図書館は”きれいな建物”です。ここから、子どもたちが集い、本を通して語り合い夢や将来の選択の幅を広げていけるような、そのような居場所にするためには、皆様のお力添えが必要となります。どうか私たちの活動を応援してくださると幸いです。