私たちの取り組む課題
人々の間に「響き愛の心」が溢れたら、世界は今よりもっと平和で豊かになる。私たちはそう考えています。
響き愛の心とは、人の喜びを我がこととして喜び、人の悲しみに心を寄せて共に悲しむ心、と言い換えることができます。
こどもたちは毎日の遊びを通して、人との関わり方やトラブルの解決方法、様々な価値観に触れていきます。その経験はこどもたちの心の根っこに栄養を注ぐようなもの。
YMCAはこれを、キャンプや野外活動を通して行なっていきます。
人と関わるというのは、自分の思う通りに何でもできる訳ではないため、時に「面倒臭い」と思う人もいます。しかしキャンプはこの「面倒臭い」ことをあえてするのです。その関わりを通して、人と折り合いをつける方法を体験的に学び、自分も知らなかった自分の良さに気づくこともあります。「私がしたことで誰かが喜んでくれる」という経験もします。それらの経験は、「私は誰かの幸せを作り出すことができる。」という有能感につながり、ひいては自尊感情を育むことにもなります。
これらを大学生のボランティアが主体となって行なっています。大学生は未熟な大人です。この未熟さは、こどもたちにとってはとても魅力的です。友達のような横の関係でもない、まして先生のような縦の関係でもない。しいて言えばナナメの関係にあります。そして今のこどもたちに不足している関係性こそ、このナナメの関係です。そのため、YMCAでは長い間、大学生ボランティアによるこどもたちの野外活動やキャンプ運営にこだわって行なってきています。
なぜこの課題に取り組むか
変化の早い「今」という時代は、「今日生まれたこどもの65%が、現在はまだない職業に就く」と言われている時代でもあります。その時代の海を泳ぎ切るには、学校で机に向かって行う学びだけでは足りません。確かにそれは「今」役立つ力かもしれませんが、「未来」に役立つかどうかわかりません。しかし一方で、人と関わり、他者とうまく折り合いをつけながら課題を解決していく力やコミュニケーションの力、論理的な思考力などはまさに「未来」に役立つ力です。
未来をより良く変革していくためには、未来を生きるこどもたちが、今をどう生きるか。それを真剣に考え、行動に移さなければなりません。
私たちはそれをキャンプという形で行い、こどもたちが楽しみながら様々な価値に触れ、課題を解決し、有能感を高め、「私ってすごい!」という明るく前向きな感情で満たされるような場を創ります。それが平和でより良い社会を実現していく近道だと考えています。
そのためには、こどもたちのモデルとなる若者の存在が不可欠です。この若者たちがこどもたちのリーダーとなっていくためには、こどもたちの育ちと同時に、若者たち(YMCAでは大学生ボランティア)の育ちの場とならなければならないと考えています。
寄付金の使い道
YMCAの宝は大学生ボランティアの存在です。彼らの貢献無くしてYMCAはあり得ません。常に全力でこどもたちと向き合い、泥と汗まみれになってこどもたちに寄り添っています。常にこどもたちのより良い育ちにとって何が大切なのかを考え、時に悩みながらもこどもたちの前に立つと、太陽のような笑顔でこどもたちを受け止めています。そのため、保護者からも高い評価をいただいています。世界を変えるのは、彼ら、彼女らのような存在です。
しかし彼ら、彼女らがボランティアを続けて行くためには、常に自分を高める努力をしなければなりません。ところが現在、学生の置かれている状況は、以前とは比べ物にならないほどシビアです。授業の出席日数、単位取得数、資格の取得、実習(インターンシップ)の多さ、アルバイトで生活費を稼がなければならない等々、ボランティアを継続したいという熱い思いはあっても、様々な困難が待ち受けています。
YMCAは、そのようなボランティアスピリットを持った学生たちを支えるために、次のようなサポートをしたいと考えています。
- トレーニング費用(野外スキル、キャンプスキル、救急法、リスクマネージメント等々のトレーニングにかかる費用として)
- 書籍費用(野外教育、キャンプ等の技術や知識の最新情報を得るため)
- 研修交通費(県内外で行われる研修に参加するための交通費として)
こどもたちの輝く未来のために、これらの大学生ボランティアをお支えください。