私たちの取り組む課題
国産の漆が不足し、国宝・重要文化財・日本の文化の危機的な状況を解決したい。
1.漆を増やす
国宝や重要文化財の継続的な修復のための漆を安定的に確保し、中国産漆に過度に依存した脆弱な産業構造を解消し、将来に渡って漆の文化をしっかりと継承・発展させていくためには、国産漆の生産を増やし自給率を高める必要があります。ウルシノキを増やすことから、漆液を採取し精製し漆として流通させるまでの一連の工程を最適化したいと考えています。
- 漆畑用地の確保
- 漆の育苗
- 漆の植樹
- 漆を植樹する活動の支援・請負
- 低コストな漆採取と生産技術の開発
- 漆の長期保存技術
2.漆を活かす
環境を汚染せず、再生可能で、安全安心な優れた素材である漆は、現在世界が抱えているさまざまな問題の解決にもつながる、極めて優れた希望の素材です。化学合成素材に過度に依存した社会から脱却し、天然の恵みを有効活用し自然と共生した持続可能な社会への転換を図るためにも、漆を使ったものづくりや新たな用途開発など、漆の利用を促進したいと考えています。
- 漆を使った商品開発
- 漆の用途開発
- 漆液採取後のウルシノキの有効活用の研究
3.漆を使う
漆の生産を増やし漆製品が増えても、消費が増えなければこのサイクルが回りません。漆を使った製品を使うことは、ゴミを減らし、環境負荷を減らし、安全・安心なオーガニックな暮らしを実現します。現代のライフスタイルに合った新しい漆との関わりや生活への取り入れ方などを提案し、自然と共生したライフスタイルを促進したいと考えています。
- 漆製品の利用の促進
- 漆に関する広報活動
- 認証制度の構築
- セミナー、ワークショップ
- 人々や社会と漆との接点を広げる活動
4.漆を残す
縄文時代以降、日本人は漆を植え、育て、掻き、そして様々なものに活用してきました。これらから未来に向けて新しい漆との関係を築いていくためには、これまでの日本人と漆との関係の歴史やそれを支えてきた道具や技術、資料といったものを保存し、人材も育成して、次の世代に日本の漆をしっかりと継承していきたいと考えています。
- 漆に関わる技術、資料等の保存、収集、公開
- 漆に関わる人材の育成
なぜこの課題に取り組むか
漆は縄文時代から日本人の生活、文化、歴史に深く関わってきました。
しかし化学合成された素材が普及する中で、漆の利用は減ると共に、国内の生産も減少して、現在は国内消費の97%は中国産に頼っている状況です。
一方で国宝や重要文化財の修復には国産漆が必要とされる中で、国産漆の供給が足りず、維持修復が滞る事態となり、日本文化の継承が危機的な状況になっています。
こうした状況を改善し、日本の文化を守り次世代に継承するために、漆と社会や人々との接点を拡大することを目的として設立されたのが当NPOです。
ウルシノキの植樹によって漆を増やしたり里山振興などの活動。漆の活用増によって漆の持続可能な利用を促進する活動。
時代にあった漆の採取技術の開発などの活動によって、優れた天然素材である漆の恩恵を一人でも多くの方が享受できるような社会を目指しています。
寄付金の使い道
- ウルシノキの苗を育てる活動
- 里山、山林、耕作放棄地などウルシノキを植える用地の確保
- ウルシノキの植樹活動
- 漆を効率的に生産する新しい技術の開発