私たちの取り組む課題
「こんな団体が佐賀にあったなんて…」
2018年10月に佐賀市内で開かれたタイフェスティバル。日本人男性と結婚して同市内に住むタイ人女性は、涙を流しながら、同じ同胞と知り合えたことを喜んでいました。まさに、サワディー佐賀が目指すのは、「タイ人同士の横の連携」です。
2018年1月、サワディー佐賀が設立されたきっかけは、2017年に開かれた佐賀県主催の「タイフェア」というイベントでした。県内にある大学の留学生や仕事をされている方、日本人と結婚された配偶者など、多くのタイ人やタイが好きな人で集まり、タイフェア出店のための実行委員会が結成されました。そこで気づいたのが、同じ佐賀県内に住むタイ人同士であっても、お互いを知らないこと。タイ人コミュニティはなく、なかなかお互いに情報共有ができない、母国語で悩みを相談できる友達がいない-などの課題があることに気づきました。また、タイのドラマと映画のロケ誘致に成功したことで、多くのタイ人観光客が佐賀県を訪れるようになりました。
入管法の改正、人手不足、国際結婚の増加・・・。近年、さまざまな要因で日本に住む外国人住民が増えています。佐賀県内でも、その傾向は同じ。日本での生活には、楽しいことばかりではないかもしれません。そんな時、タイ人住民がお互いを支え合い、さらには佐賀県のまちづくりに取り組めたらどうだろうか。
「タイ人にとって住んで良し、訪れて良し」の佐賀県のまちづくりをしたい。サワディー佐賀はそんな思いで活動を続けています。
なぜこの課題に取り組むか
①外国人コミュニティの「窓口」に
外国人住民の増加により、日本社会にとって、多文化共生の推進は急務となっています。もちろん、国籍を超えた人間関係をつくることも重要です。しかし、まずは外国人コミュニティが自発的につくられる。そうすれば、行政やNPO、企業からの「窓口」になりえます。例えば、災害が発生したとき。2019年佐賀豪雨の際にも、サワディー佐賀のLINEグループやFacebookでタイ語の災害情報が発信されたほか、佐賀県国際交流協会と佐賀県が設置した「災害時多言語支援センター」とも容易に連携することができました。
②多文化共生社会を進める原動力に
「日本語の習得」や「人権」など、時に外国人住民は「かわいそうな存在」として見られがちです。しかし、日本語と母語の両方が得意だったり、自国の料理が得意だったりと、一人ひとりは個性豊かなメンバーばかりです。日本人社会に対し、「排斥」したりするのはもってのほか、「すみわけ」(互いのちがいは認め合うものの、互いの変化は求めず交わらない)や「同化」(日本人と同じ文化や考え方を求める)のではなく、共に佐賀県のまちづくりに取り組むことで、「多文化共生社会を進める原動力」になれたらと考えています。
③外国人グループのモデルに
外国人同士が集まり、まちづくりに参画したいと思っても、「誰に尋ねたらいいのか」や「活動しようにも、先立つ資金がない」など、ヒト・モノ・カネ・情報の壁に阻まれがちです。そこで、サワディー佐賀では、イベント運営や事務局の経営についてのノウハウをため、ほかの外国人グループ・外国人コミュニティが活動するためのモデルになりたいと考えています。目指せ、佐賀のタイタウン!
寄付金の使い道
サワディー佐賀では「住んで良し、訪れて良し」の佐賀県のまちづくりに寄与するため、以下の活動に取り組んでいます。
・祐徳稲荷神社への観光客向け通訳ボランティアの派遣
・タイフェスティバル(佐賀県主催)への企画協力や運営
・タイ語観光情報の発信(https://www.facebook.com/triptosaga/)
・タイ文化交流会の開催
・タイ語教室の開催、タイ語話者の拡大
・タイ語通訳・翻訳の手配
ただ、これらの活動は、設立まもない任意団体のため、ボランティアで手弁当で実施しているのが実情です。ぜひとも活動への寄付をいただけると幸いです。