私たちの取り組む課題
美術館と聞くと公立館のイメージが強いですが、意外と公益財団法人の施設があります。公益財団法人の運営原資はじつにさまざまです。有価証券の運用益、指定管理料の場合もあります。
当館の場合は入館料、碌山等にちなんだグッズの販売、寄付金によって賄われています。長らく、作品購入や修繕、建築物の新築・増築・修繕、館庭の管理はすべて自己資金で賄ってきましたが、バブル崩壊後の入館者の低迷に伴う減益を受けて、近年は作品修繕の補助金を利用し、昨年初めて企画展の際に助成金を利用しました。
入館者の減少とコロナ禍による減収、昨今の物価上昇は、経営を圧迫するものであり、現在は減収を補うため、積立金の取り崩しによる運営を強いられています。
当館は、64年前に30万人の方々のご厚志によって誕生した美術館です。そのため、ふたたび多くの方々のご寄付を仰ぎこれからも碌山の芸術を守り伝えながら、今まで以上に地域をはじめ多くの方々に愛され、地域の発展に寄与する美術館でありたいと考えております。
なぜこの課題に取り組むか
碌山美術館は、1958年(昭和33)に29万9千百余人におよぶご寄附ご支援のもとに安曇野の真中に誕生しました。
その中にはノート代や鉛筆代を割いて5円10円を寄附してくれた長野県下の小中学校の児童生徒がいました。
日本近代彫刻の先覚者となった荻原守衛(碌山)の人と芸術を永く後世に伝えようとする熱意が人々に伝わり、他に類を見ない美術館建設がなされました。
創立以来、入館者の皆様はじめ多くの方々のご支援をいただきながら、生きた美術館を心掛けて成長を続けて参りました。現在では日本近代彫刻の殿堂として高い評価を戴いております。
しかし、様々な情勢変化により、入館者の減少が続き、近年美術館の運営はさらに厳しい状況が加速しています。
当館では、公益財団法人として認定され寄附の税制控除を受けて頂くことができます。サポートメンバーシップを設けて寄附のお願いをしています。
荻原守衛の芸術と碌山美術館を愛好される皆様に、サポートメンバーシップの趣旨にご賛同をいただき、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
寄付金の使い道
寄附金はすべて公益目的事業の資金と致します。