私たちの取り組む課題
日本では海外と比べて性教育の機会が少なく、性器を含めた身体についてや人権として自分の身体や心について学ぶことが不足しています。このことは若年者の予期せぬ妊娠や性感染症の拡大だけでなく、子どもや若者の性被害(加害)の一因ともなっており、特に昨今はインターネットを介して大人が巧みに近寄り、信頼関係を築いた上で性加害に及ぶ「グルーミング」という卑劣な犯罪が増えています。これらを予防するためにも、そして子どもや若者たち自身が「自分の体と心の主人公になる」ために、自分の未来を自分自身で選択していけるように、同年代(18〜22歳)の「思春期ピアアクティビスト(ピアっ子)」たちから性の正しい情報提供を受けたり、将来について”一緒に考える”機会を創出しています。
また、結婚・妊娠・出産という未来を自分で選択した女性たちも、順風満帆とは言い切れません。日本の家庭ではまだまだ女性が主体となって家事・育児を担当することが依然として多く、6歳未満の子がいる家庭の家事・育児の平均時間は1週間のうち男性は約2時間、女性は約7時間30分と5時間以上の差があります(R4総務省・社会生活基本調査)。さらに乳児期の子育ての主体が母親に偏る傾向やコロナ禍の影響で、乳幼児期の子育てや家事による負担で孤独に陥りやすくなっています。このことは地方都市の松山市においても例外ではなく、核家族化で「多世代で子育てをする」ということが難しくなっており、子育てをする当事者同士が気軽に集い、情報交換ができる場が必要とされている中で、LINEを使ったオンラインコミュニティや対面で安心して交流することができる子育てイベント等を展開しています。
なぜこの課題に取り組むか
当法人は2012年に、中学〜大学へ出張講座に行くピアっ子の卒業生たちが、後輩をサポートするための団体として「ピアリンクinえひめ」という任意団体からスタートしました。
性についての学びを深めることの大切さだけでなく、自分自身がかけがえのない存在であること、そしてそれは目の前にいる他者も同じであることを活動を通して実感し、成長を続けていくピアっ子たちの力は素晴らしく、中高生と同じ目線で話し、先生方も驚くほど一瞬で心に近づいていく様は、大人には真似のできないすごい力だと確信しています。この活動を継続して、さらに愛媛全体に波紋のように広がっていくことを願って、活動を続けてきました。
当時大学生だったメンバーも結婚・妊娠・出産とライフステージに変化があり、子育ての壁にもぶち当たるようになってきた頃、私たちが大切にしているピアカウンセリング=仲間同士の対話の活動が、乳幼児ママのエンパワメントにも効果的であることが分かり、2017年よりママ向けの活動も開始しました。2019年にコロナ禍が襲来した際、乳幼児ママの孤立が危機的状態になっていることを受けて、2020年スマホで交流ができるLINEを使ったオンラインコミュニティ「ひめピヨくらぶ」を開始しました。オンラインで私たちと出会ってくださったママが対面イベントに参加し「子どもがいても外出していいんだ。」「誰かと話すだけでほっとする。」という嬉しいお声もいただき、ただでさえ孤立しがちな乳幼児期の子育て環境が少しでも良くなるように、少しでもママの心が軽くなるように、身近で安心できる空間づくりを心がけながら、この活動を広げていきたいと思っています。
寄付金の使い道
皆様からお預かりした寄付金は、
・思春期ピアアクティビスト(ピアっ子)の養成や出張講座等で使用する媒体の材料費・交通費等に使用させていただきます。
・愛媛ピヨピヨ子育て応援くらぶ略して「ひめピヨくらぶ」のオンラインコミュニティ運営費やイベント開催時の人件費・おもちゃ代・交通費等に使用させていただきます。
・大人向けの性の学びのための講座や座談会、ピアカウンセリングを使った講座開催時の会場代や交通費に使用させていただきます。