私たちの取り組む課題
市街地中心のあるランドマーク「旧 飯能織物協同組合事務所棟」の修復保存のための資金集め活動。また市民のための公共性の高い利活用についての模索および、そのための活動。
なぜこの課題に取り組むか
「織協」こと、旧飯能織物協同組合事務所棟は飯能市街地にある大正11年(1922年)に建築された和洋折衷造りの建物で、かつて飯能の経済活動の拠点、また街のシンボルでありました。
~大正ロマンの建築~
建物は木造二階建て、外壁は西洋の建築を模倣した下見板張りと窓枠があてがわれ、正面玄関(東)側から見上げると2階に他と比べて一回り大きな窓が2つありますが、建設当時はそこにバルコニーがあったと推測されます。屋根は和瓦敷き、シャチホコが据えら、いかにも当時流行した最先端の和洋折衷を表現しています。建物内の1階には広々としたロビー、応接間、事務所や大きな金庫などがあり、2階は洋小屋トラス構造を用いて柱が一本もない百畳敷きと呼ばれる大広間を造られています。室内細部には左官職人の技による漆喰の鏝絵が見受けられ、建物内外の各所に贅沢さを垣間見ることができます。
~経済拠点としての歴史~
飯能と言えば絹織物と西川材が有名ですが、そもそもこの地が栄えたのは質の高い養蚕と絹の生産でした。飯能の市街地を見渡すと現在でも数多くの蔵が見受けられますが、そのほとんどが高級品である絹織物を保管する為に建てられたものであり、いかに飯能の経済が潤っていたのかが伺えます。織協はその絹の取引場や税金の徴収場などとして活用され、巨額の経済活動の拠点として活躍しました。
~現代の「織協」~
時代は流れ、化学繊維の登場や一都集中型のオフィスワークが中心となり、何世紀にもわたり高級品として愛でられた絹の需要は瞬く間に落ち込み、ここ飯能でも絹による経済活動は縮小していきいました。織物協同組合も平成30年(2018年)にその活動の幕を下ろしました。
織協を取り壊すという話も幾度か浮上しましたが、飯能の歴史建築を守りたいという方々の働きかけで、2017年に国の定める有形文化財として登録され、現在は同じ志を持つ民間企業に引き取られたことにより、なんとかその姿をとどめるに至っています。
~「織協」の未来~
「織協」こと、旧飯能織物協同組合事務所棟は飯能市街地にある大正11年(1922年)に建築された和洋折衷造りの建物で、かつて飯能の経済活動の拠点、また街のシンボルでありました。
その昔関東大震災にも耐え得た織協ですが、約100年に渡る時の流れのによる傷みが見受けられ、また現代の耐震性などの安全面からも昔のように盛んな活動が許される状況ではありません。オーナーであるべアライズ株式会社は、大正ロマンの美しい姿をとどめつつも、現代の基準と見合うような修復を模索している最中ですが、その修復には多大な費用が想定されます。ひとつの企業として支えるにはあまりにも荷の重いプロジェクトです。私たちは織協のこれからの存続と活用にについて少しでも役に立てればと思い活動しています。
飯能の歴史ある美しい建物を、現代・未来の社会に呼応した新たな文化と経済活動の拠点の場となるように、
多くの方々のご理解とご協力を心よりお願い申し上げます。
寄付金の使い道
皆さまからのご寄付は、すべて旧 飯能織物協同組合事務所棟の修復費用に役立てられます。