私たちの取り組む課題

NFHCCでは、性暴力撲滅にむけた多種多様な活動をしています。
ワンストップセンター(OSC)の全国展開
・性暴力被害者への医療・心理・法的支援をひとつの拠点で提供する、「ワンストップセンター」を全国に増やす活動
日本においては性暴力被害者支援体制はまだ始まったばかりで、OSCを各都道府県1カ所以上設置することが目標とされ、現在約52か所が設置されたところです。しかし、国連から、「女性20万人に一カ所のレイプ・クライシスセンター設置が望ましい」と勧告が出ており、まだまだ足りないのが現状です。NFHCCの代表理事である片岡笑美子・長江美代子は、愛知県にワンストップセンター「日赤なごやなごみ」を立ち上げました。
トラウマケア
・トラウマ及びPTSDを抱える方への心理支援(カウンセリング、トラウマセラピーなど)
・被害者を、警察やワンストップセンターなどの連携機関につなげる活動
性暴力被害者は、被害がトラウマとなりPTSDを発症し、家庭・学校・職場など、社会の中で孤立を深めていきます。PTSDの症状を和らげるにはトラウマケアが必須となりますが、性暴力のトラウマをケアできる専門家は非常に限られています。
人づくり
・SANE(性暴力対応看護師)の育成事業
・代表理事による研修、講演など
・教育機関での性暴力防止講座
なぜこの課題に取り組むか
守られない被害者
性暴力は、「身体の統合性と性的自己決定を侵害するもの(国連の定義)」として、重大な人権侵害にあたります。しかし、「性被害にあうのは被害者に落ち度があったから」という考えは根深く、被害者の多くは誰にも相談することができないまま孤独な闘いを強いられます。
ワンストップセンターも、トラウマケアができる専門家も足りておらず、警察などの司法関係者ですら性被害への理解が足りないのが現状です。法的にも心理的にも適切なケアがなされているとはいえません。
罰されない加害者
被害者は理不尽に人生を奪われるのにもかかわらず、加害者が罰されることはほとんどありません。法律が現状に即していないのはもちろん、他者の心ない対応に傷つき、被害を訴えることをあきらめてしまう被害者もいます。直接の加害だけでなく、間接的な加害によっても被害者は苦しめられることになります。このような二次被害を防ぐためにも、加害者を産まないための教育・啓発活動も必須です。
あなたは悪くありません
このような性暴力被害者を取り巻く環境を踏まえ、「加害者にも被害者にもならない安全で安心な暮らし」ができる社会をともに目指しましょう。
寄付金の使い道
● 公的にカバーされない医療費(傷害、妊娠、感染症、PTSD治療など)、弁護士費用などの法的プロセスにかかる費用、自宅が被害場所の場合の一時的滞在費用の補助
● 性暴力被害のトラウマに配慮した対応の研修(専門家、支援員、一般対象)
● 性教育講座、心理教育や性教育のための絵本や教材づくり
● PTSDセラピールームの整備(より生活に近い場所で被害によるこころのケアが得られるように)
● 性暴力被害防止に関する広報活動、リーフレットやポスター制作
● 多機関多職種による支援連携のための通信費、交通費など
● NFHCCの運営費、スタッフの人件費、家賃を含む施設維持管理費 など