私たちの取り組む課題
すべての聴覚障がい児童・生徒への合理的配慮の拡充
公立私立を問わず、小中高校における合理的配慮の拡充を求めるとともに、
配慮の拡充を求めるがために学校現場の教員の過重な負担となってしまわないように教育委員会等と連携をし、
教員のマンパワーに頼らない、やる気の搾取に繋がらない、切れ目のない配慮を行える環境作りを目指しています。
障がい者手帳がでない、軽度中等度難聴児への補聴器購入助成制度の拡充
障がい者手帳が出ない、軽度中等度難聴児への補聴器購入助成制度は、
当会、および県下の関係団体が協力して奈良県に要望をし、平成25年に制度化されました。
制度化されてから12年がたち、医学も医療機器も発展し、新しい補聴機器も開発されてきています。
しかし、助成対象の補聴器気は12年前のままで、新しい機器は助成対象となっていないものもあります。
そういった新しい機器は高額の為、購入をためらうケースが散見されますが、
補聴機器を利用することで難聴児のみならずその家族、保護者も社会参加へのハードルが下がり、インクルーシブ社会の醸成の一助となります。
また、この制度は18才未満の「難聴児」を対象にしており、18才以上の「難聴者」は対象となっておりません。
聴覚障害はほとんどが完治するものではなく、一生付き合っている障がいです。
18才を超えた途端に補聴機器の買い替え時には100%自費で行う必要があり、「難聴者」にとっては負担となっています。
これについても新たに「難聴者」向けの購入助成制度の創設を目指し活動しています。
なぜこの課題に取り組むか
先天性の聴覚障がい児は1000人に1.6人程度の発生率とする研究もあり、数ある障がいの中でもマイノリティーな障がいの一つです。
マイノリティーな存在であるがゆえに、「切れ目のない合理的配慮の提供」ということ自体が困難なのが実情です。
令和6年から障がいのある人への合理的配慮の提供が義務化となりましたが、
聴覚障がいに接した人自体が少なく、なにをどう提供すればいいのかが分からない人がほとんどだと思われます。
聴覚障がい児が日々の生活で何に困っているのか、
どういった配慮をしてもらえたら助かるのか、
声を上げ続けることで、
聴覚障がい児はもちろん、配慮を提供する側の一助となればと考えています。
支援金の使い道
・言語習得期の1~5才の就学前や、学童期の6-12才の子ども達の親、保護者を主な対象とした、補聴器の説明体験会開催
・小中学校の難聴学級担当教員を主な対象とした、補聴援助システムの説明体験会開催
それぞれ、補聴器メーカーの協力のもと、令和7年度に開催予定です。
説明体験会を通じて補聴機器、補聴援助システムを装用、利用することで聴覚障がい児のQOL、
ひいてはその家族のQOL向上へと繋げます。
また、高等教育機関等と連携をし、体験会を通じて聴覚障がい児、家族のQOLの変動などを調査し、
聴覚障がい児を取り巻く福祉、教育の向上へと繋げることも検討中です。