私たちの取り組む課題
ICT機器は生活を便利にし、暮らしの質を向上させる力を持っています。
しかし、「使い方がわからない」「難しそう」という心理的なハードルや、病気の進行にともなう切り替えの負担、既存の支援制度ではカバーしきれない領域があるため、本当に必要な方々のもとにその力が十分に届いていないのが現状です。
課題1|ICT機器への抵抗感(心理的ハードル)
「操作が難しそう」「設定が大変そう」「自分に本当に必要かわからない」などの理由から、そもそもICT機器を使う前にあきらめてしまう方が少なくありません。特に症状や体調が安定しない場合、新しいことを試し、失敗を重ねながら覚えていく過程に対する不安が大きくなりがちです。これらの心理的ハードルを乗り越える機会が乏しいと、ICT導入が進まず、サポートを受ける可能性までも遠ざけてしまいます。
課題2|病気の進行に伴う高機能機器への移行
難病は進行度合いに個人差があるうえ、ある時点で高機能な専門機器が必要になる場合があります。ところが、スマートフォンやタブレットといった基本的なデバイスに慣れていないと、新しい機器へ移行する際の負担が一気に増大し、生活全体の質(QOL)の低下を招きかねません。いざ必要になったときにスムーズに対応できるよう、早期からICTに触れておく重要性が強調されます。
課題3| 既存制度でカバーしきれないサポート領域
さらに、介護保険の枠外や自費となるサービス、スマートスピーカーなどの新しい機器に特化した導入支援などは、まだ十分な仕組みが整っていません。治療法が確立されていない難病の方々にとって、ICTは日々の暮らしを支える大切なツールにもかかわらず、支援制度の空白が原因でサポートの選択肢が限られてしまう状況があります。
こうした課題を解決するために、私たちは早期からのICT活用支援に力を注ぎ、多くの方が「自分らしい生活」を続けられるよう、わかりやすく、寄り添ったサポートを目指しています。
なぜこの課題に取り組むか
ICT機器を活用することで、ご本人が「自分らしい生活」を続けられるだけでなく、ご家族や支援者にとっても心の支えになる環境づくりを目指しています。
早期からICT機器に慣れておく“準備性”が重要
治療法が確立されていない難病の方にとって、日常生活を安定的に続けていくことは大きな課題です。そこで、体調や症状が比較的落ち着いている段階からスマホやタブレット、スマートスピーカーなどを使いこなす経験を積んでおくと、将来的に身体機能が変化しても比較的スムーズに対応できます。また、移行時の費用や心理的な負担も抑えやすくなります。
デジタル技術が生活を支える一つの確かな手段になる
音声操作や遠隔操作といったICTの利点を活用すれば、「外出が難しい」「家族が離れた場所で暮らしている」などの状況においても、コミュニケーションや日常の作業をサポートできます。こうした技術は、病気の進行に合わせてアップデートすることで、ご本人の意欲や活動を維持しやすい環境づくりにもつながります。
大切にしたい“ご本人らしさ”を保つため
治療や症状の変化のなかでも、ICTを活用することで「これまでできていたこと」や「やりたかったこと」を続けられる可能性が広がります。ご本人の意向を尊重し、周囲とともにサポート環境を整えることで、安心感や生きがいを得やすくなり、ご家族や支援者にとっても心強い支えとなります。
寄付金の使い道
私たちは、難病や障がいをお持ちの方々が自分らしい生活を続けられるよう、以下の支援を無料で提供しております。
- 新たな機器(スマートホーム機器等)の導入サポート
この支援は助成金等の活用だけではすべての支援をまかなうことは難しいため、寄付金も大切な役割を果たしています。寄付金は以下のような用途に活用されます。
1. 無料支援枠の拡充(最優先)
- 支援を無料で受けられる枠を増やすための諸経費に充当します。
- 費用面のハードルを下げることで、「最初の一歩を踏み出しづらい」方々が気軽にサポートを体験できるようにいたします。
2. その他の運用
- 広告・広報活動:ICTサポートの重要性を知っていただくために、チラシ作成やSNS広告、体験イベント開催費用に使用します。
- 機器の購入・維持費:スマートスピーカーやスマートリモコンを実際に試せるデモ機の確保やメンテナンスを行い、導入への抵抗感を和らげます。
- 専門スタッフの研修・サービス拡充:スマホやタブレット、スマートホーム機器の最新知識を習得する研修を実施し、難病や障がいの特性に合わせた専門性の高いサポート体制を整えます。
「サービスを利用するだけで支援の輪が広がる仕組み」に加え、寄付を通じてさらに多くの方へ支援を届けることが可能です。どうかこの活動にご賛同いただき、一緒に「誰もが暮らしの可能性を広げられる未来」を実現しましょう。