私たちの取り組む課題
住居の確保、生活基盤の立て直し
出所後に最初に必要となるのは住居です。東京都内で住む場所を探す場合、少なくとも20〜30万円が初期費用として必要となります。生活保護からの住居手当は後払いとなるため、賃貸契約時には立て替えなければなりません。 また、賃貸契約における連帯保証人等もいないため、マザーハウスで身元引受をした出所者は、法人名義での契約となり、住居確保において最も金銭的支援を要します。
居場所づくり
多くの出所者は、社会での居場所がなく、孤立しています。一人で社会復帰をがんばろうとしても、困難に直面した時に元の悪い仲間を頼らざるを得なくなり、再犯に至ってしまうケースは珍しくありません。 社会復帰には、困難に直面した時に頼ることができる複数の居場所が必要です。マザーハウスでは、当事者同士の話し合いの場や、教会関係者、大学関係者等の様々なコミュニティをつなぐ「マリアカフェ」を居場所づくりの拠点として整備しています。
心のケアと就労支援
仕事に就くことだけが社会復帰ではありません。多くの出所者は、社会に出てから様々な精神的・身体的な混乱を抱えます。刑務所での暮らしと社会の暮らしがあまりにかけ離れているからです。そのような状態でいきなり仕事に就くと、再犯に至ってしまう可能性が高まります。
マザーハウスでは、およそ1年間かけて心のケアを含む社会復帰のあらゆる土台づくりを経てから就労へとつなぐことで、再犯防止を目指しています。
なぜこの課題に取り組むか
刑事施設からの出所後、社会復帰に向けた公的な支援はほとんどありません。受刑中の作業報奨金はわずかであり、お金も住居もない状態から社会復帰を目指さなければなりません。そして、再犯してしまう出所者の多くは、居場所がなく、誰の助けも得られない状況にあります。 一人で社会復帰をすることはできません。社会復帰には支援が必要です。
寄付金の使い道
拠点整備、就労支援、心のケア、居場所づくり