私たちの取り組む課題
子育て家庭の多様化・核家族化に加えコロナ禍で、現代の母親は、身近な人に育児を教わる機会もなく、子供同士遊ばせる場もなく、孤独な子育てで心身に大きな負担がかかっている現状があります。
中野区は子育て支援の場もあまり多くはありません。地域の親同士や支援者を結ぶ場を作ることで、親子がより豊かな子育て・子育ちができる環境をつくりたいです。
母親の孤立は深刻化すると鬱や子供への虐待にも繋がるリスクとなるため、それらを未然に防ぐ一助ともなると思っています。
また、妊娠・出産で仕事を離れる女性は減ってきているものの、少なくはありません。当団体スタッフも大半が未就学児子育て中の専業主婦です。
専業主婦になった女性から「固定の仕事をするのは難しいけど、少しでも世の中の役に立つことをしたい」「家の中にいるだけではなく外とのつながりが欲しい」「子育て支援を一方的に受けるだけでは自尊心が削がれる」などの声も耳にします。
こういった女性たちの受け皿にもなる団体でありたいと思っています。
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当団体が主催している親子の遊び場「なかママひろば」は、【中野のママ同士、仲間になろう!】という思いを込めて運営しています。※もちろんパパのご参加も大歓迎です!
主に区内公民館を借りて月に2回、予約不要・入退場自由・参加費100円で開催しています。
◉同世代の身近な先輩ママスタッフと話せる・繋がれる
スタッフは大半が未就学児育児中の母親です。気軽におしゃべりしていってください!
もともと子供にかかわる仕事をしていた方も多いので、専門的な話も聞けます。
(元幼稚園教諭・保育士、元小学校教諭・特別支援学校教諭、児童館・学童職員など)
他、現役母でなくとも、地域で長く子育て支援活動をされてきた方や、ファミサポやベビーシッターとして活躍中のスタッフもおります。
◉楽しい月替わり企画で自然と参加者同士距離が近くなる
豊富なおもちゃに加え、月替わりで自由参加の工作コーナーやリトミックタイム・おさがり交換会など、毎回楽しい企画を用意しています。(別途材料費等必要な場合有)
◉手続きの簡素な一時保育で気軽にリフレッシュできる
ひろばに1回以上参加したことのある親子を対象に、保育士資格のあるスタッフがひろば内でお子さんのお預かりをしています。(要予約・1回1200円)
なぜこの課題に取り組むか
こんにちは。代表のサキです。2024年4月現在、8歳と6歳の子供を育てています。
私が課題に取り組む理由は、強い危機感です。
我が家は両実家遠方で、近くに頼れる人がいません。
にもかかわらず、第一子の出産から1か月後に、私が高熱を出してしまいました。
その日どうしても夫が仕事を休めず、すこやかセンターなどいくつかの行政窓口に電話してみましたが頼れる先はありませんでした。
せっかく妊娠中に登録していたファミリーサポートも、当日依頼は難しいと言われてしまい…。
その日は朦朧としながら必死で新生児の世話をし何とか乗り切りましたが、この体験を通して、強烈な恐怖を感じました。
【母が倒れても子供を助ける仕組みは存在しないんだ!】なんだか崖っぷちに立っているような気がしました。
私だけがこの子の命綱、私が本当に倒れたら終わり。こんな状態ってリスク高すぎる!
そこから、一時保育やシッターなどを片っ端から登録して使ってみたりしましたが、依頼の手間や金額面もありなかなか使いこなせずにいました。
その後第二子も生まれ、「普段の子育ても含めて自分一人じゃ本当に手が足りない!きっと同じような母親はたくさんいるはず、そういう親同士でお互い助け合える環境があれば良いのに…」と思うようになりました。
専業主婦が一般的だった昔は自然とそういう環境はあったかもしれませんが、現代の都会にはありません。
自分以外に子供の生命維持できる大人が近くに一切いないというのは、それだけで本当に日々心身を蝕みます。
そこで、地域の母親同士で仲良くなれるきっかけの場や、子供の預け合いができる場を意図的につくろうと思いました。
まずは我が子が0歳2歳の時に「東京都子育て支援員」の資格研修に通って一時預かりの資格を取りました。
そのうえで、想いをブログやツイッターで発信していたら、賛同してくれる仲間ができ団体立ち上げに至りました!
立ち上げから3年半が経ち、ひろばに来てくれた人は延べ1,000組以上にもなりました。
コロナ禍もあり、幼稚園なら入園までの3年~4年という長い期間、ほとんど誰ともかかわれずに手探りで子育てをするのは本当に大変なことです。
虐待のニュースにも他人ごとではない、自分も一歩間違えばそうなっていたかもしれないと思ってしまいます。
ほんの少しのつながりの場や情報提供があれば親も子も救われます。そのきっかけを作りたいです。
最近は「未就園児母向けテイクアウトランチ購買代行」「中野区の幼稚園選びガイド冊子発行」などなど、新しい取り組みも始めています。
当団体スタッフはほぼ未就学児育児中の母親ですが、子供にかかわる仕事をしていた人が半分。そういう人が一時保育スタッフとして活躍してくれていたり、もしくは元編集者やデザイナーだった人に幼稚園ガイド冊子を作ってもらうなど、母親自身のスキル発揮の場としても機能しています。
これからも、子育て当事者だからこその視点で、様々な場づくりや人繋ぎ、仕組みづくりをどんどん広げていきたいと思っています。
寄付金の使い道
◉団体の活動費
当団体の活動は、区の助成金と参加費、そしてご寄付で運営しております。
ひろばや工作の参加費は100円~数百円と低額で、助成金も金額や使途が限られていることから、ご寄付があってこそ成り立っています。
おもちゃ・マット・リトミック用楽器などの備品購入、消毒液や文具などの消耗品、絵の具や折り紙などの工作用品、チラシの印刷費や用紙代、音楽家や保育士などの講師への謝礼金など、活動全般に活用させていただきます。
◉スタッフの謝礼金
当団体スタッフの大半が未就学児を育てる母親です。
家事育児の傍ら時間を割いて企画の準備等を行っていますが、助成金から出るのはひろば当日の活動手当670円/日程度のみです。
当団体では現在、参加費収入やご寄付から補填して、1人あたり1,200円/日(3時間程度)を支給しています。
保育士の待遇改善が昨今叫ばれていますが、子育て支援分野全体において、担い手へきちんとお金が渡ることも大切なことだと考えています。
とはいえ、参加者さんからたくさんの参加費をとるのは本意ではありません。当団体のイベントには気軽に参加してほしいと思っています。
ご寄付があれば謝礼金をきちんと確保することができ、大変ありがたいです。謝礼金がしっかり出ることで、地域の子育て支援の担い手も増えていくはずです。
皆様からの温かいご支援を頂ければ幸いです。