私たちの取り組む課題



これから先100年後の未来の子どもたちに向けて山車を残したい
五つの町が保有する山車は車輪も含めて木製であり、また全て回転山車であり、全国的にも珍しい山車となります。
夕闇の中で提灯を灯した山車が回転する光景は、太鼓の調子と相まって懐かしさと美しさを感じます。
なぜこの課題に取り組むか



大正12年に発生した関東大震災からの復興を祈念して日銭を集めた当時の思い
東リ町の山車は、昭和2年(1927年)の6月に山車を新調したとの記録があり、おおよそ100年前から現存する貴重な山車となります。
古くよりいらっしゃる地元の皆さま方の証言によると、大正12年(1923年)の9月に発生した関東大震災からの復興を祈念して当時に地域商店や住民が日銭を集めて山車を新調したと言われています。
今回、良雲さんのご子息により手帳が発見され、東リ町の山車は埼玉県熊谷を中心に活躍された彫刻師である内山良雲(鹿十郎)さんと長男である光一郎さんにより昭和元年の5〜6月に製作されたとの記録が残っていました。内山良雲(鹿十郎)さんは明治10年7月7日に埼玉の行田市にて農家を営む佳乃助と母・きんの三男として生まれ、明治20年の10歳頃に佐藤熊次郎正貫に入門して彫刻修行が始まったとされ、関東を中心に親子で多くの作品を残されています。
当時は鎌倉郡片瀬村の一部として存在してた東リ町の山車(帳簿には屋台と表記)に関する当時の製作記録や、当時には東リ町に複数点在していた沼と千鳥と亀をモチーフとしてと思われる彫刻の下絵を確認することができました。
なお、熊谷市では大正12年頃に制作された内山良雲親子の彫刻が施された屋台が現存し、平成27年3月に有形民俗文化財に指定されています。
支援金の使い道



修繕費用 1500万円
万延2年の創業であり社寺建築の施工にて国宝、重要文化財の修繕に実績のある工務店様にご依頼する予定でおります。山車を解体して工務店様へ搬送し、概ね1年ほどをかけて修繕を行う大規模な修繕となり、総額で 1500万円程度となる見込みです。
修繕に際しては以下の順番で優先的に修繕したいと考えています。
- 山車上部の回転軸や車輪まわりなどの山車の安全運行に関わる箇所の修繕(最優先)
- 屋根板や側面部などの風雨や経年劣化により損傷している箇所の修繕
- 彫刻師 内山良雲(鹿十郎)による側面及び上部の彫刻作品の修繕