私たちの取り組む課題
近年では地縁や血縁の希薄化が進み、7割以上の親が乳児に触れる機会がないまま育ち、同じく7割は頼れる人が近くにいない「アウェイ育児」の状態にあり、不安が強い状態で孤立した育児をしている。児童相談所への虐待相談件数は、出生数が減少する中でも年々増加傾向にあり、令和2年には20 万件を突破した。小さな悩みが虐待等の大きな問題に膨らむ前に、誰もが早期に援助を得られる社会づくりが急務となっている。
窓口や拠点に自ら行くことができない親子には家庭を訪問する支援ニーズがあるものの、現在、日本の訪問型子育て支援は、保健師等の専門職によるものが主流で、量的な限界から困難家庭を優先せざるをえない状況にある。また、実際に自分が家事や育児をする場面にそばにいて欲しいというニーズに専門職では対応できず、ベビーシッターやヘルパーといった有料支援は経済的に余裕がない家庭は利用できないという支援のすき間が存在する。
なぜこの課題に取り組むか
ホームスタートは、2009年にNPO法人を立ち上げた時点で13地域から活動を開始し、現在、32都道府県の約120地域で活動するまでに事業を広げてきている。一方で、「孤育て」という言葉に象徴されるような、孤立した状態で育児を強いられる家族は、コロナ禍もあってさらに増えているのではないか。より広い地域で、より多くの利用家庭(親子)を支え、結果的に虐待予防などにもつながる活動はますます必要性を増していると考える。
寄付金の使い道
全国各地でホームスタートの活動を進めている地域の団体のサポート、質の高い研修などによる安心・安全な訪問の担保、新しい地域でホームスタートを始めてもらうための立ち上げ支援などに寄付金をあてさせていただきたい。