私たちの取り組む課題
阪南市は、人口53,099人、高齢化率28.8%の大阪湾に面したまちです。
人口減少、少子高齢化が進むなかにおいては、地域のつながりが薄れ、困りごとがあっても「誰にも相談できない」「誰にも気づいてもらえない」という人が増えてしまう恐れがあります。
そのような状態の人を出さないため、地域には、下記のような役割が必要です。
・身近で気軽に相談しやすい窓口として相談を受け、解決に向けて寄り添い支えていく
・地域の人と人をつなげ、お互いに困りごとに「気づく」「気づいてもらえる」関係をつくる
・地域の人のニーズややりたいこと、やれることを把握し、活動づくりをお手伝いするとともに、行政や関係者と分かち合い、地域福祉推進計画に反映し実行する
阪南市でこれらの役割を担うのが、阪南市社協です。
なぜこの課題に取り組むか
どの地域にも、周りの人の困りごとに「気づく」人はたくさんいます。
しかし、その人たちが
・気づいたことを相談できる場・関係
・何ができるかとみんなで考える場・関係
・できることを実行する場・関係
をつくるには、「ハブ」となり情報提供したり、伴走支援したりする存在が必要です。
そのため阪南市は、徹底的に住民のみなさんの「気づき」から主体的な「やりたい」が実現するよう、日々サポートしています。
その結果、これまでに下記のような取り組みが、住民さんたちのアイデアで生まれ、育ってきました。
●子ども福祉委員
地域の4校の小中学生が、地域ボランティアとして自主的に活動。地域の高齢者のニーズを調べ、買い物支援をするなど、主体的に地域の困りごとを解決し
高齢者に喜ばれることはもちろん、子どもたちの自己肯定感やまちへの期待も高まるきっかけとなっています。
●まちなかサロン・まちなかカフェ
近所で誰もが気軽に集える「居場所」が市内全40か所で住民によって運営されています。
近況確認や相談のキャッチの場としても機能しています。
●農と福祉のまちづくり
老若男女、国籍や障がいの有無にかかわらず、地域のさまざまな人が参加し野菜や果物を栽培し、
収穫した野菜などは子ども食堂や生活困窮者に寄付。人々が楽しくつながるきっかけになっています。
●漁業と福祉のまちづくり
大阪で初めて養殖に成功した新しい名物「牡蠣」などの海産物をきっかけに、
子ども・若者・高齢者が牡蠣の種付けや牡蠣割り作業などで関わる取り組みです。
●少年院ボランティア
全国で初めての取り組みとして、阪南市にある少年院の在院生たちが地域でのボランティア活動を行っています。
「こんなにありがとうと言われたことがない」と在院生たちが人の役に立つ喜びを知るきっかけになっています。
●認知症にやさしいまちづくり
孤独になりがちな認知症当事者やその家族が地域とつながるきっかけとして、
認知症フレンドリーなまちをめざし、啓発活動やcafeの運営などを行っています。
●子どもの居場所づくり
地域の子どもの居場所となる食堂・学習のボランティア支援。
田んぼでの農業体験など、より豊かな体験をする機会をと大人たちが知恵を絞っています。
●健康づくり・介護予防
いきいき百歳体操や専門職が出向く出前講座など、地域のみなさんの健康維持に努めています。
阪南市社協はだれもが住み慣れた地域で、安心して暮らしていけるよう、
“共に生き、支えあう社会”を本気でめざしています。
行政からの委託事業としての収入はありますが、地域の新たな課題や住民のみなさんの想いに応えるには充分ではありません。
もっともっと、柔軟な活動展開をしたいと思っています。
また、上記の取り組みのなかには全国に先駆けて行うものも多々ありますが、
それらを阪南市だけの体験にすることなく、それらの活動のなかで得た知見やノウハウを
他市のまちづくりや地域福祉に興味のある人たちに伝える活動も行っています。
寄付金の使い道
★阪南ならではの地域活動促進
子どもが主体的に地域ボランティアをする子ども福祉委員のほか、農業や漁業と連携した事業など、
阪南市の住民の皆さんとだからこそ生まれる活動をネットワーク化し、形にする支援に使わせていただきます。
具体的には、イベント保険やボランティア保険の加入費用、農業や漁業で使う道具や消耗品、
住民の方々が活動を広めるために作るチラシの印刷費用・つながりを保つためのお手紙の郵送代などです。
★ひとりぼっちをつくらない相談支援
認知症高齢者、障がいのある方、ひきこもり状態の若者など、市民の誰もが孤立せず支えあって暮らしていけるための
相談やさまざまな支援に使わせていただきます。
具体的には、それらの人々を支える専門家の人件費、交通費、訪問の際の衛生用品購入費用などです。
★人材育成・スキルアップ
皆さんの地域活動に役立つ研修やボランティアの勉強会など、活動がよりよいものになるような支援に
使わせていただきます。皆さまを支える職員のスキルアップも含みます。
具体的にはプログラム開発にかかる人件費や研修参加費、講師を招く謝金費用などです。
一人ひとりの「想いをカタチに」することを大切に、地域の人たちがつながることで、
いつまでも暮らしやすいあたたかいまちづくりを進めるために。
ここまで読んでくださったあなたからのご寄付をいただけると、嬉しいです。