私たちの取り組む課題
「二度の災害で壊れてしまった、何気ない日常を紡ぎなおすために」
2022年、石川県輪島市に『ごちゃまるクリニック』を開業しました。私たちの理念は、「ごちゃまぜ」で「まるごと」。医療・介護・福祉だけでなく、学校や商店街、赤ちゃんから高齢者など皆さんそれぞれの持ち味を大切にし、心だけでなく身体も、本人だけでなく家族・地域・風土・文化・・・それらをまるごと応援しようと取り組んできました。また子どもたちを主軸に診療の枠を超えて地域に飛び出し、10代の居場所づくりを行う取り組みも行ってきました。診察室だけでは見えない一人ひとりの物語に寄り添う。そんな当たり前で、温かな日常のつながりを積み重ねてきました。
そして、2024年1月の能登半島地震、さらに9月の奥能登豪雨。二度の災禍は、能登の風景とくらしを一変させました。建物だけでなく、地域を支えてきた大切な「つながり」までが、いま失われようとしています。
・「いつものあの人・あの場所」の喪失
朝市での買い物や、近所の方との立ち話。そんな「何気ない日常(ケの日)」の交流が、災害によって寸断されています。一人で過ごす時間が増え、「寂しいね、むなしいね」という声が、まちのあちこちから漏れています。
・「自分らしさ」が見えない不安
大切にしてきた地域の中での役割や、お気に入りの居場所を奪われたことで、心の中に「晴れないモヤモヤ」を抱え、将来への希望を持ちにくくなっている方が増えています。それは、診察室の会話だけでは拾いきれない、日々の暮らしの中にある「寂しさ」や「戸惑い」です。
・消えゆく地域の記憶
輪島の歴史や一人ひとりの個人史「よもやま話」が、記録されることなく風化しようとしています。それは、このまちが再び立ち上がるための大切な「心の栄養」を失うことでもあります。
二度の被災により、多くの住民が役割や居場所を奪われ、将来への希望を持ちにくい状況にあります。私たちは、支援する・されるという関係を超え、共にこのまちで生きる住民として「しなやかな心」を支え合うため、一般社団法人『ごちゃらあと』を設立しました。目的がはっきりしすぎない「ただ居てもいい場所」を大切にしながら、新しい「自分らしさ」や「能登らしさ」をゆっくりと再構築していく旅路に、私たちはじっくりと伴奏し続けます。
具体的な活動について
・らいか堂の運営
人が集まることで生まれる能動的な空間を重視します。偶然の出会いが持続的に生まれるような仕組みを設計し、関係性を蓄積していくことを目指しています。
・個別訪問活動と出張交流会
リヤカー出張を通じて、見えにくい場所にいる人々と繋がり、その存在とニーズを可視化し、孤独や孤立にアウトリーチします。医療との重なり、異なる世代や背景を持つ人との重なりを大事にします。
・広域連携活動の実施
地域資源マップの作成を通して、活動で出会った人、物、場所と連携する。マップは単なる場所のリストではなく、「関係性の可視化」を目的とします
・次の災害に備える取り組みの実施
活動を通して出会った方々の個人史をアーカイブする。防ぎうる災害関連死リスク軽減モデルに基づく本事業の取り組みの効果検証を質的に行う。小さな語り、個人史からなる人文的復興の提言を行います。
なぜこの課題に取り組むか
私たちは、支援する・されるという関係を超えて、このまちで共に生きる住民同士でありたいと考えています。
・「弱目的」が生む、ゆるやかなつながり
目的がはっきりしすぎない「ただ居てもいい場所」を大切にしています。リヤカーを引いてまちを歩いたり、「らいか堂」で一緒にお茶を飲んだり。そんな、ふとした瞬間に生まれる偶然の出会いこそが、傷ついた心を癒やし、地域の回復力を育みます。
・二度の被災でも「しなやかな心」を支え合う
私たち自身も被災し、一度は心が折れかけました。しかし、住民の皆さんからの励ましに、私たちこそが救われました。このまちで共に生きる仲間として、共に日々の楽しみを感じながら過ごします。
・小さな語りを、未来への贈り物に
一人一人の「よもやま話」や、かつての豊かな暮らしの記憶を大切に集めていきます。失われたものを嘆くだけでなく、それを受け継ぎながら、新しい「自分らしさ」「能登らしさ」をゆっくりと再構築していく。その果てしない旅路に、私たちはじっくりと伴走し続けます。
支援金の使い道
いただいたご寄付は、らいか堂の運営や、法人運営・活動に使わせていただきます。
寄付を通じて、ぜひ活動にご参加ください!

