私たちの取り組む課題
横浜市青葉区、寺家ふるさと村の外れに佇む、NPO法人どろん子会 自然保育園どろん子。2歳から5歳児まで約40名の園児が通う小さな保育園です。 恵まれた自然環境の中で仲間と遊びこみ、心身の健康と自己肯定感を育むどろん子の魅力をお届けします。
四季を体感する外遊び
真夏を除く晴れた日は、基本的に毎日外遊びに出かけます。園庭はないけれど、寺家ふるさと村周辺の自然豊かな野山が子どもたちのフィールドです。木や草花、生き物、泥に枯れ葉……自然の中では遊びがつきません。その日によって行き先は様々で、大きい子たちは、どこに行くかを話し合うことから一日が始まります。ごっこ遊びやがけ登り、道なき道を行く探検…。大人が仕掛けた“保育”ではなく、子どもたちから生まれる“遊び”を大切にしています。そうして一見同じような毎日を繰り返していくうちに、自分で考える力や仲間を思う気持ち、まさに「生きる力」が育っていくのです。また、どろん子のトレードマークでもある「草履」を履いて遊びこむうちに、指や足全体の筋力が発達し正しい姿勢が自然と身に付いていきます。
少人数で異年齢が混じり合う保育環境
どろん子では、散歩などの主な活動は大きい子(4、5歳児)と小さい子(2、3歳児)に分かれます。毎日のように一緒に遊び込み、笑い合い、時にぶつかり合う中で、学年を超えた絆が育まれていきます。また、生活の場である保育室はいわゆる普通の一軒家。部屋の行き来が自由な時間帯は、より関わる年齢の幅が広がるので、まるでちょっとした大家族のよう。そして、暮らしをともにする中で生まれる「ケンカ」を避けないのもどろん子の保育。ルールこそあれど、自分の気持ち、相手の気持ちに向き合う時間を大切にし、時に話し合いをしながら、少人数だからこその密度の高い関わり合いの中で心を育んでいます。
身体を丈夫にする食事
どろん子の「食」は、楽しく食べることをなにより大切にしています。毎日のように、野山や田んぼでたっぷり外遊びをしているから、給食は子どもたちにとって待ちに待った時間です。この空腹感があってこそ、食欲が高まり、さらに、遊びや生活の意欲へとつながっています。園の近くで畑を借りて、野菜作りをしています。野菜くずを土にかえして土作りからはじめ、育てた野菜を収穫して食べる体験を大切にしています。
ともに育てる
どろん子の子どもたちを育てるのは、園のスタッフだけではありません。保護者もまた、自分の子や他の子どもたちの成長も一緒に見守る仲間です。多くの温かい見守りの目に包まれて、伸びやかに成長していきます。様々な相互関係の中で「自分の意思を伝える力」や「相手を思いやる心」、「困難を乗り越える術」などが、子どもたちはもちろん、大人たちの中にも自然と育まれていきます。地域のお年寄りの方々や小、中学生のきょうだい児、親子連れご家族などとの自由なふれあいも、日常的に多くあります。おさんぽ会や保育参加、様々な行事を通して、子どもたちのいきいきとした輝く瞳に出会い、強い生命力を感じられることでしょう。
なぜこの課題に取り組むか
森ノオト - 「自分を持つ」から始まる自己肯定感〜のむぎ保幼部「どろん子」より抜粋:https://morinooto.jp/2017/08/08/doronkoinfo/
「公立保育園に勤めていた頃、『子どもにとって本当に良い保育って何だろう?』、『自然治癒力を高める給食を作れないだろうか』という疑問をずっと持っていたんです。小学校のプレスクールのための幼稚園や保育園じゃなくて、大人になるまでの心身の健康の土台をつくる、長い目で見た保育がしたいと思ったんですよ」(園長:たみちゃん)
『水と土と太陽のもと、子どもの全面発達を保障する』という保育方針のどろん子では、大きい子は3時間、小さい子でも2時間以上、野山を走り回る外遊びが保育の中心です。
「自然の中って、子どもの可能性をグンと広げてくれるんです。どうやったら木の高いところまで登れるか、虫を逃さずに捕まえることができるか。子どもたちはすごく頭を使っています。毎日毎日、自然の中で仲間とどっぷりと遊ぶから心が満たされて、さぁ次は何しようって、違うものごとへの集中力も高まる。『月曜はこれを習って、火曜はあれを習って、水曜は泥遊びをさせたい』なんていうような良いとこどりはできないと思うんですよね」
寄付金の使い道
横浜市届出済認可外保育施設であるどろん子では、補助金に頼らず独自の保育目標を掲げながら日々活動しています。みなさまからの善意による寄付によってこのような活動を継続させることができますし、日々の保育をより充実させることができます。どうぞあたたかいご支援を。