私たちの取り組む課題
[経済的・環境的にしんどい状況の高校生にとっての課題]
①学力は家庭環境に依存することが多く、 経済的に困難な状況の高校生はそうでない高校生と比べて低学力になる傾向がある。
②お金や周囲との関係性の面でさまざまな制限を受け続けた結果、成功体験が少なくなり、自己肯定感が低くなりやすい。
③周りにロールモデルとなる大人が少なく、進路選択の幅が心理的にも狭まっている。
この3つの要因から、環境・経済的に困難な状況にある高校生は、高校卒業時点での進路選択の幅が物理的にも心理的にも狭くなっていることが多いと感じています。
なぜこの課題に取り組むか
代表の平井が、中学2年生の冬ごろに父親の自営業が廃業しました。それと同時に両親が離婚し、家族がバラバラになってしまいました。平井は無職になった父親を放っておけず、父親の親権を選びました。
その後、必死の思いで勉強に打ち込み、大阪府でトップの公立校に進学することができました。
しかし、高校に入学してからは、周りの生徒との環境差に苦しみました。
クラスメイトが部活動に打ち込んでいる中で、僕はアルバイトや内職などで、受験期の塾代や生活費の一部を稼がざるを得ませんでした。
なんで自分は他の人と同じように普通に高校生活を送ることさえ難しいんだと悔しい思いをすることもありました。
父親の給料日前には冷蔵庫がほとんど空になるようなことも珍しくなかったため、高3の受験期でも総菜屋さんが半額セールを行うまで並ぶような日々を送っていました。
そんな状況下でも必死に勉強をしました。その結果、第一志望の大学には落ちてしまったものの、中期日程で国公立大学に合格することができました。
大学に入学してから今まで、自分と同じような境遇で苦しむ子ども達の手助けをしようと、環境・経済的に困難な状況の子どもの学習支援を行うNPO法人あっとすくーるで活動をしています。
現在日本の7人に1人の子どもが相対的貧困であり、ひとり親家庭の子どもの2人に1人が相対的貧困と言われています。
「あっとすくーる 」で活動する中で、その数字の大きさを肌で感じ、ドラマで見るようなしんどい家庭の子どもよりも更に厳しい境遇に追い込まれている子どもを何人も見てきました。
そして、「あっとすくーる 」で活動していくうちに、当事者として苦しんだ自分だからこそ、見せられるロールモデルのようなものがあると気付きました。
そういった子どもたちの手助けをしたいという想いはどんどん強くなっていき、日本の子どもの貧困問題の解決にもっと本気で取り組もうと思うようになりました。
そして、休学してこの事業を始めたのは、昨年度見ていた次のような生徒のためです。
生活保護家庭の母子家庭で育ち、母親とケンカして家出をし、卒業までほとんど家に帰れなくて、時には野宿をするほど追い込またりするような中3の受験生。
この子が厳しい環境の中で、どうやったら幸せになれるだろうかと悩み、考え抜いた結果、今回のプロジェクトに思い至り、「CLACK」を立ち上げました。
寄付金の使い道
高校生のためのパソコン購入費用、CLACKの教室に通うための交通費、各種プログラミング学習教材などの購入費、スタッフの交通費や人件費などに使わせていただきます。