私たちの取り組む課題
家庭で虐待を受け、親子関係がこじれ、安全に暮らせない子ども…
社会的養護で育ち、自立生活がうまくいかずにホームレスになってしまう子ども…
児童相談所一時保護所での集団生活ができない、18歳を迎えている等の事情により、従来の児童福祉機能では救いきれない…
カリヨン子どもセンターが取り組んでいる課題は、居場所が無い子どもたちを緊急で受け入れる民間の子どもシェルターと、自立を支援していくための自立援助ホームの運営です。
福祉、司法、医療、教育がスクラムを組むように連携しながら、子どもを思いを真ん中にして、必要な支援をしていきます。
子どもたちの人生に、仕事や生活の視点だけでなく、学びや遊びの価値を提示していくことも私たちのミッションです。
子どもシェルターや自立援助ホームから社会に巣立った後には、アフターケアとして、その人生を応援し続けます。
なぜこの課題に取り組むか
日本の法律では、子どもの親が持つ「親権」はとても強く、善意による行動であって、私人が子どもを保護することは、親権侵害、誘拐や監禁と訴えられてしまうリスクがあります。
悩み苦しみ、問題の渦中にいる子どもを、一個人が受け止め、生活を丸抱えにして面倒をみていくことは並大抵のことではなく、子どもの中で荒れ狂う怒りや悲しみ、絶望と孤独は、周囲の人間を巻き込み、支援をすることすら難しくしてしまうこともあります。
知識と技術を身に付けた、福祉、司法、医療、教育等、様々な機関の専門家が、思いを持って、スクラムを組むように連携して、やっとひとりの命が支えられる…そのくらいの困難の中で子どもたちは苦しんでいます。
支援に多くマンパワーが必要な一方で、子ども本人が、安心してご飯を食べ、休むことができる場所は、どうしても必要です。
しかし…「親権」を飛び越えて子どもを保護することのできる児童相談所の一時保護所は、児童虐待への関心が高まり、通報して救われる子どもが増えたことで、特に都心では、定員を大幅に超過した状態が続いています。
自我がはっきりし、自分の意思表明ができ、また自ら外へ飛び出していくことができるようになってきたハイティーンの子どもたちは、一時保護所のルールがある集団生活を嫌がり、「死んでしまいたい」「売春や野宿をしたほうがまし」「万引きして食いつなぐよ」…と、自分自身を傷つける、犯罪に巻き込まれてしまう、危険な状態に突き進んでしまいます。
自暴自棄になって、自分や他人を傷つけてしまう子どもがひとりでもいなくなるよう、支援者が力を寄せ合う間、子ども本人が羽を休め、今一度立ち上がるための準備ができるよう、「子どもシェルター」はハイティーンの子どもたちのSOSを受け止めていくために必要不可欠な場所です。
そして、「子どもシェルター」にて急性期のケアを受け、働いて自立していこう、と希望する子どもたちのために「自立援助ホーム」はあります。
今、目の前にいる子どもを助けたい、この子どもを助ける方法が見つかれば、同じように悩み苦しむその何百倍の子どもたちにも道が切り拓けるから…これこそがカリヨン子どもセンターが活動する理由です。
寄付金の使い道
①社会福祉法人へのご寄付はその使い道を、寄付者の方にご指定いただくことができます。
②各施設の運営費
「子どもシェルター」と「自立援助ホーム」は、運営費予算の約70%相当は公的な補助がありますが、それでは職員配置3名配置がやっと…毎月約30泊分の宿直を3名の職員で担っていくことはとても難しいです。
また、ハード面から子どもたちの生活環境を整えていくことも十分にはままなりません。いずれも法律・制度改善を国や自治体に要求していますが、すぐには変化の兆しが見られません。
現在は、ボランティアスタッフの方たちに加わっていただき、またご寄付によって関わる職員を手厚く配置することを目指しています。
子どもたちが安心して暮らしていけるような施設を運営するためには、ご寄付による支援を必要としています。
③デイケア事業「カリヨンハウス」
子どもたちのカウンセリング、学習、スポーツや音楽等の余暇活動…ケア、学び、遊びを子どもたちに届けるデイケア事業「カリヨンハウス」は100%ご寄付によって運営されています。
子どもたちとの関わりにおいては、仕事、金銭やりくり、家事を教えるだけでなく、人生を楽しみ、季節の彩りを感じて、心の休息や栄養補給をする方法を伝えていくことも、社会で自立し生活していくために重要と考えています。
④子ども支援金交付事業
お預かりしたご寄付から、大学や専門学校へ進学したいと考える子どもたちへの奨学金や支援金を運営しています。