私たちの取り組む課題
■孤立しやすい若い世代のがん患者の方々が集える場を提供することで、「つらいのは自分だけじゃない」「仲間がいる」と気持ちがラクになり、前向きになれるようなコミュニティ作り。
■30代、40代のがん患者は、家族や仕事、お金など、様々な問題を抱えながら生きています。そういった生きづらさを、キャンサーペアレンツとして情報を発信し、しかるべき団体や企業などで届けます。
■がん患者が、患者として振舞う必要はありません。患者だからこそできるアクションをし、それが社会へ情報を発信する術となります。そのアクションにつながるコンテンツ作りや、場の提供などを行っています。
■こどもの頃から、がんに対する理解をしてもらえるように、小学校・中学校を中心とした「がん教育」を行っています。
■企業向けに、がんになっても働けるように、「がんと就労」の問題を中心とした講演や情報提供を行っています。
なぜこの課題に取り組むか
創設者である西口は、35歳のときに、ステージ4の胆管がんを宣告されました。5年生存率は5%未満。死を強烈に意識し、自身の命の限界について考えました。そして、自身のことの次に、こどものことばかり考えていました。
「がんをこどもに伝えるべきか」
「私が死ねば、こどもはどうなるのか」
そんな不安の中、周囲には同世代のがん患者は皆無で、相談できる人がいませんでした。孤独でした。
18歳未満のこどもをもつがん患者は、1年間で新たに約6万人(2015年国立がん研究センター調べ)。
生存率の向上、晩婚化などでさらに増加傾向にあります。こどもをはじめとした家族との関わり、働く世代でもあるため仕事やお金、また地域とのつながり、将来のことなど、不安は尽きません。
しかし、相談できる人が周囲におらず、離職、うつ病、こどものいじめなどの問題につながっている現状があるのも事実。がんという病気に対する理解の乏しさから、誤解や偏見が生まれ、それが、カミングアウトしづらい空気を作り、さらに孤立していくという悪循環を抱えています。
この状況を変えるためにも、こどもの世代に同じ状況にしないためにも、当事者としてアクションをする必要があると感じています。こどもをもつがん患者の集まりであるからこそ、こども(こどもの世代)に対する責任を持ち、患者自身が社会を変えていく原動力となると確信しています。
がんの種類や地域での集まり、患者がよければいい。それだけではなく、これまでにはなかった、世代でつながるコミュニティ。そして、みんなでつくる。生きるチカラにつなげていく。
がんになっても生きていやすい社会を作るために、キャンサーペアレンツは活動を推し進めていきます。
寄付金の使い道
患者さんに使っていただきやすくするための、サービスの開発。また、ネット上だけでなく、フェイスtoフェイスでコミュニケーションできる場の設置。そして、みんなでつくるキャンサーペアレンツとして、さまざまなプロジェクトを立ち上げて推進していくための資金にあてていきます。
※プロジェクト例:えほんプロジェクト
キャンサーペアレンツ会員のみなさんが自らで立ち上げたプロジェクト。がんを経験をしたみなさんだからこそ、「こどもに伝えるときに苦労した」「これでよかったのか不安」などの想いがあった。
そんなときに、こどもと一緒に理解できる絵本があればよかったのに・・・。しかし、そのような絵本は残念ながらありませんでした。
それであれば、自分たちで、自分たちが納得のいく絵本をつくればいいじゃないかと、有志で集まり、プロジェクトを立ち上げました。それが、「えほんプロジェクト」です。
試作してみては、やり直し。なかなか納得いくものはできません。絵はどうするのか?色はどうするのか?印刷はどうするのか?自費出版?いやいや商業出版?いろんな試行錯誤がありました。最終的には、自分たちで考えたストーリーに、自分たちで絵を描き、自分たちで色をつけ、自分たちで出版社を探しました。もちろん、みなさん絵本つくりの素人です。そして、子育て、仕事、もちろんがんの治療もあります。途中、プロジェクトメンバーの旅立ちもありました。出版社もなかなか決まりませんでした。たくさんのダメ出しもありました。それでも、絶対に諦めずに進めてきました。
そして、第一弾となる「ママのバレッタ」が商業出版として、多くの方へ届けることができるようになりました。
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