私たちの取り組む課題


アマヤドリは、家族を頼ることができない15〜29歳の若者に、「衣・食・住」のサポートを行っています。
日本では18歳になると、法律上「成人」とされ、原則として児童福祉法や児童相談所の対象から外れてしまいます。
しかし、18歳の時点ですべての人が自立できているとは限りません。
実際には、多くの18歳〜20代前半の若者たちは、経済的にも精神的にもまだ自立の準備段階で、
現実的には親の扶養下にあることも少なくありません。
虐待や貧困などの背景で家族を頼ることができない抱える若者は、18歳を境に「頼れる誰か」や「場所」の多くを失います。
さらに、虐待や無関心、過干渉、経済的搾取などの困難を抱えたまま、誰にも気づいてもらえず、相談もできずに18歳を迎えた若者も多くいます。
こんな声が私たちのもとに届いています
- 児童相談所で一時保護をされたが、措置解除となり家庭に戻され、虐待が悪化した家庭で生活せざるを得なくなった若者
- 家庭で安全に夜を過ごすことができず、ネットカフェやSNSで知り合った他人の家を転々としながら野宿を続ける若者
- アルバイト代を全て家族に搾取され、行動をGPSや交通履歴でで監視されている若者
彼らの置かれている状況は非常に深刻で複雑です。
アマヤドリは、そんな「支援の狭間」に取り残された若者たちの「SOSがあるのに支援がない」現実に向き合い、
制度の枠を超えて伴走することを使命としています。
私たちが目指しているのは、
「しょうがなく」「そうするしかなく」追い込まれた末に選ばざる得なかった道ではなく、
「自分のたために、自分で選ぶ。自分で決める。」ことができる未来をつくることです。
サポート付きの安全な住まいの提供、無料の相談支援・同行支援・居場所支援・物資支援を組み合わせ、
「衣・食・住」を多面的にアプローチをすることで、
「すべての若者が自分の生き方を自分で選ぶことができる世界」実現に向けて、活動を続けています。
なぜこの課題に取り組むか


2020年のコロナ禍。
当時、高校で養護教諭(保健室の先生)をしていた代表理理事・菊池のもとに、卒業生を含む多くの若者から相談が寄せられました。
「家に居場所がない」「家出している」「消えたい」
家族と過ごす時間が増えたことで、それまで、暴力や虐待等の家庭内の問題が、顕在化したのです。
彼らをサポートしようと既存の制度を調べても、18歳を超えた若者が使える制度はほとんどありませんでした。
18歳を超えると児童福祉法の対象外となり、児童相談所をはじめ多くの相談先を失っていく若者たちの存在に直面し、
「制度の狭間に取り残されている若者に伴走する支援が必要だ」と痛感したのです。
こうして、2020年にアマヤドリは立ち上がりました。
アマヤドリ=雨宿り
雨が降るように、人生には自分ではどうすることもできない辛い体験をすることがあります。
少しの雨ならば、濡れてしまうことも経験の一つかもしれません。
しかし、冷たい暴風雨の中、たった1人で怖く、命の危険を感じるほど凍える体験は、心の傷になってしまうかもしれません。
そんな時、誰かが傘を貸してくれたら。誰かが傘に入れてくれたら。タオルで温めてくれたら。安全な場所で雨宿りができたら。
冷たい怖い雨の日も、後から思い返すとちょっとだけ思い出になるかもしれません。
大切にしたいのは一緒にいること。そんな思いをこめて、アマヤドリと名付けました。
支援金の使い道


いただいたご支援は、以下のような形で若者たちのために使用させていただきます。
- 安心して暮らせるサポート付きのシェアハウスやアパートの運営費
- 生活・就労・心の悩みに伴走する無料相談事業を継続するのための費用
- 若者に伴走するスタッフの人件費の一部
土砂降りの冷たい雨の中で凍えている若者に、一緒に傘を差しだす仲間になってください。
怖かった雨の日が、いつか振り返った時に、誰かが手を差し伸べてくれたという少しだけ温かい思い出になりますように願っています。
「人生の雨にも、思い出を」をスローガンに、一緒に若者の雨宿りを支えていただけますと幸いです。
どうか、温かいご支援をよろしくお願いします。