私たちの取り組む課題



トピカは、2017年に高松市塩江町地域おこし協力隊として赴任した村山淳が、地元の方々と一緒に立ち上げた町おこしのための非営利型一般社団法人です。トピカは目指す町おこしの特徴として、「幸福なダウンサイジング」を掲げています。私たちは戦前から戦後の高度経済成長期において塩江町が目指してきた華やかな観光地路線への回帰を目指すのではなく、規模が小さくとも無理がなく、地域住民たちが自分たちの土地や歴史、暮らし方に誇りを持って訪問者と交流する町づくりを目指しています。
(一社)トピカの活動は大きく分けて4つの方向性があります。一つ目は、地域のコミュニティ維持に関する活動で、こちらが私たちの核となっているものです。日本に多くある中山間地域の過疎地の例に漏れず、塩江も深刻な高齢化と人口減に直面しており、それまで地域の自治会や寄り合いが中心となって維持してきた活動・行事がどんどん行われなくなっていっています。もちろんその全てをトピカが代替で担うことはできませんが、その中から地域住民ないし私たちが、重要度が高いと判断するものを維持する役割を担う活動をしています。それまで地域社会が担ってきたもののなかには、いくらその維持が大変だからといっても簡単に民間の法人が関われないものもあり、地域住民の方と様々な活動をともにしながら、少しずつ信頼を勝ち取って活動の幅を広げています。その中で近年特にトピカの関わりが強くなってきているのが、塩江町の歴史や文化財の保全と継承です。これまで行政や地元有志が進めてきた文化財の保全活動、歴史資料の収集と保存は、発起人たちの高齢化や資金繰りの問題で大きな困難に直面しています。コミュニティが担いたいと思っているけれども、実際的な障害にぶつかって担いきれない地域の歴史や文化財をもう一度地域で評価しなおし、担う仕組み作りをトピカは試行錯誤で進めています。私たちは塩江温泉鉄道のような地域の大きな物語だけでなく、「いにしによる」プロジェクトで取り上げた地域の生活史、小さな物語まで、その全てがこれからの町の方向性を決める上で非常に重要な参照点なると考えています。私たちがそういった地域の物語を地域住民のみなさまに改めて見せることで、自分たちの歴史や文化を再評価し、語っていくコミュニティを作り上げるお手伝いをできればと考えています。
二つ目は、高松市行政と塩江町の様々な団体や地域住民の橋渡しをお手伝いする中間アソシエーションとしての役割です。2005年に塩江町と高松市が合併し今の行政単位になって以降、地域の基礎インフラなどを安定的に維持するために高松市行政は尽力を続けています。縁の下の力持ちとして高松市行政が地域社会に多大な貢献をしていることは事実である一方で、地域住民とのコミュニケーションには多くの課題があります。塩江町の住民は自分たちが地域の大事な方針の意思決定に関われていないという不満を口にすることも少なくありません。また、高松市は塩江町を市の水資源や農林業を支える重要な中山間地域として、また空港との位置関係や歴史などを踏まえ今後の高松の重要な観光地としての役割を担う地域として様々な政策を行なっています。しかしながら、自発的にそのような行政の施策の情報を探し、関わろうとする地域住民はそれほど多くありません。トピカはそのような方々の声を日々の活動を通して聞いて、アイディアがあるけれども行政の作法に馴染めない地域住民や、考え方は素晴らしいけれど地域社会との信頼関係やコミュニケーションに課題を感じている行政職員の間に立ち、高松の街との協力関係抜きには成り立たない塩江町を肯定的に捉えた町づくりを補助することも業務としています。
三つ目に、私たちは欧州型の先進的な環境対策や持続可能な社会の実現に取り組んでいます。塩江町には1950年代まで高松市の薪炭供給を担ってきたという歴史、そして現在も高松市に上質な水を供給する水源涵養林としての役割があります。1950年代と比べると現在の高松市の人口も比較にならないほど増加し、エネルギーの消費量、形も大きく変化してしまいました。しかしながら、小さなグリッドで水、食料、エネルギーを自給する社会の実現が中長期的には必須であると私たちは考え、森の公益性と多面的機能を維持しながら、人が森で暮らすための循環型経済を成立させることを目標に広葉樹林業の産業化に取り組んでいます。
四つ目は自走していくための経済活動です。いまは上西地区にある内場ダム湖でのカヤック体験や、塩江の道を歩きながら歴史を体験するツアー、そして里山学習などの様々な講習を行なっています。近年、地域振興をテーマにしたプログラムを実施する大学や高校などの受け入れなども行っています。また、クロモジなどの森に自生する植物からエッセンシャルオイルと芳香蒸留水を採取する1次産業の創出にも着手しています。
代表理事の村山が2017年に塩江町に移住してからまもなく丸6年が立ち、トピカはようやく3年目を終えたよちよち歩きの法人です。その間、塩江町では様々な問題が噴出し続けてきました。そしてそこから生まれる課題の多くは今も地域に残っています。しかし、高齢化率が50%を超えた町であってもそれらの問題に向き合い、地域コミュニティの幸福を考えて身を粉にして働いていらっしゃる方々はたくさんいます。私たちはそういった方々と手を取り合いながら、地味でも実直で幸福なコミュニティをともに作りたいと考えています。
なぜこの課題に取り組むか



「取り組んでいる課題」に一括して記載しています。
支援金の使い道

いただいた支援金は、弊社の通常業務の人件費として主に活用されます。一般社団法人トピカは地域住民を法定最低賃金以上の時給で雇用する一方で、仕事の7割近くが収益の発生しない地域の公益的な仕事(歴史文化財保全、里山整備活動、中間アソシエーションとしてのコミュニティ支援など)にあてられており、主要スタッフは無償ボランティアで労働をしています。いただいた支援金は、このような主要スタッフの労働力の再生産のための賃金に主に充てられます。ご支援、よろしくお願いいたします。

