事業の目的
ジャマイカには、障害がある人たちの居場所がありません。特別支援学校等に通う生徒たちが卒業後に就職することはほとんどなく、福祉作業所のような支援施設もないために、社会との繋がりを持てないでいます。貧しい家庭の障害者は外出するお金もないため、家にいるしかないのです。NPO法人リンコップジャジャは、そんな人たちが一日の少しの時間でも家の外で過ごせる「居場所」を持ち、仕事づくりに取り組むことで彼らが少しでも自立した生活を送ることを目的に活動しています。
これまでの活動
ジャマイカの地域で暮らす障害がある子どもや大人を訪ね、彼らがどんな風に生活しているか、生活にどんな困りごとがあるかを聞き取る調査を行いました。聞き取った困りごとについては、行政機関が行う支援に繋げられそうな場合は機関に同行して支援を得るために必要な手続きを行っています。また、町内会の会合に参加して障害児・者がいる家庭の困りごとを共有し、地域住民の協力を得ながら継続的に支援しています。
これまでの事業成果
支援学校で行っている「さをり織り」クラスには支援学校卒業生6名が参加し、織る技術が少しずつ向上し、自分でデザインして織れるようになっています。週2回でも家から出て元クラスメイトと一緒に過ごせることは彼らにとって大変貴重な時間となっています。
道で物乞いをしている身体障害者も地域での「さをり織り」クラスに参加し、自分で織った製品を販売することで少しですが収入を得られるようになっています。
日本で「さをり織り」に取り組む団体から支援を受け、初めは1台しかなかった織り機が現在は3台に増えました。また、大阪に拠点を持つ「NPO法人さをりひろば」が行う外国人来日研修に支援学校の先生を受け入れてもらえることになり、支援者が増え、学校と連携して「さをり織り」に取り組むことが出来るようになりました。
今後ジャマイカで「さをり織り」の取り組みを広げ、将来的には一般の人を対象に「さをり織り」クラスで収入を得て、障害当事者を講師に雇いたいと考えています。
事業の必要経費
●ジャマイカへの渡航費や滞在費
●家庭訪問の際かかる交通費
●貧困家庭を訪問する際に差し入れる食料購入費
●「さをり織り」クラスに通う障害当事者の交通費、昼食代
●「さをり織り」クラス支援者の講師料 「さをり織り」クラスで利用する織り機や糸などの機材や材料にかかる費用