私たちの取り組む課題
1分にひとり、女性が命を落としていく世界の現実。
1分にひとり、女性だからという理由で命を落としているこの世界の現状を変えるため、アフリカやアジアの低中所得国を中心に、主に家族計画、母子保健、性感染症、思春期保健の分野における人材育成や保健サービスの質の向上を目指した支援を行っています。妊娠をきっかけとして女性が亡くなる背景には、多くの場合、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利:SRHR)の問題があります。たとえば早すぎる妊娠や、安全でない中絶、妊婦健診の不足、医療従事者が立ち会わない出産での母体急変など。さらに、性行為で感染するヒトパピローマウイルス(HPV)が主な原因とされる女性特有のがん・子宮頸がんにより、多くの女性が命を落としています。2011年の東日本大震災以降は日本のジェンダーの課題にも注視し、近年は日本の若者にSRHRの意識向上を促す「I LADY.」プロジェクトや包括的性教育推進のための啓発やアドボカシー活動も展開しています。また、国内外での大規模な災害発生時には、支援のニーズが見落とされがちな女性・母子への緊急支援活動も行っています。
なぜこの課題に取り組むか
女性をとりまく現実を根本から変える。
セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利:SRHR)は自分の体、性や生殖における自己決定権であり、性を通して健康に生きるための情報やケアへのアクセスを含む「基本的人権」です。しかし世界ではいまなお、特に女性がSRHRを享受できず、生き方の選択や健康、命まで脅かされる現実があります。ジョイセフは、女性が「性と生殖」の問題で人生の選択肢や自己実現の可能性を失わないよう、「予防」の観点から人びとの意識・行動・制度すべてに働きかけ、根本的な変化につなげていく活動を行っています。
寄付金の使い道
アフリカ・ケニアと日本の女性たちに、死や病気のリスクから自分自身を守る「包括的性教育」を届けます。
ケニアと日本で、包括的性教育に焦点を当て、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利:SRHR)の推進に取り組みます。ケニアの首都郊外のスラムでは、若者の意図しない妊娠や子宮頸がんを予防するための啓発活動を行います。日本では、性教育の機会が限られた若者を主な対象に、SRHRを学ぶ機会を提供し、学校教育への包括的性教育の導入を目指したアドボカシーも展開します。