私たちの取り組む課題
ダウン症候群(別名21トリソミー、以下ダウン症)は過去90年間に、平均寿命が6倍超になるなど、その状況が飛躍的に変化してきています。同時に、かつては見えていなかった各種の課題が次々と明らかにされてきています。医学の進歩により医療関連の多種類の専門職が関わるようになり、ダウン症のある高齢者の増加に対応して福祉関連の多種類の専門職による対応が急務となっています。保育や教育でも大きな転換期を迎え、地域間格差、および多様な需要に対応し、他の専門職と連携して活動することが極めて大切となりました。成人したダウン症のある方の就労についてもそのあり方について各地で模索されています。
なぜこの課題に取り組むか
こうした要請に対して、単独の専門職別の対応だけでなく、各領域の連携が求められていますが、未だ少ないのが現状です。臨床、臨地の現場において、複数の専門職を含めた地域における医療・教育・福祉・就労現場の社会的ネットワークの整備が必須となっています。
日本において大学等の教育研究職と現場の専門職とによる実践や研究成果の蓄積とそれらの共有は十分とは言えず、研究内容や方法の開発や改善と、実践の説明と効果の評価は極めて重要です。そして、現場におけるそれらの連携そして協働の必要性は大学等の高等教育のカリキュラムに反映されることが大切です。そして国際的なダウン症関連組織・学会との情報交換・交流も推進していく時期にきています。それぞれの成果を、同じ場で発表し、相互に討論し、多様な専門職協働の現状を俯瞰し、共有できる本学会の設立には大きな意義があると信じます。ダウン症とダウン症のある方に興味を持ち、研究結果や現場における実践の成果を発表する学会設立の意義に賛同される皆様のご入会をお誘い申し上げます。
なお、日本ダウン症学会は専門家に限らず、ダウン症のある方やご家族のご入会もできますのでぜひご検討ください。会費は現在は無料となっており、学術集会参加費とご寄付で運営しています。
寄付金の使い道
本会の目的である、本会は、ダウン症候群(21トリソミー)のある者の医療・保育・教育・福祉・就労分野の連携と協働を目指し、それらの研究、実践を促進することに使わせていただきます。