私たちの取り組む課題



自分が生まれ育ったところではない国で、悩み事を抱えたり、困難にぶつかったりしたとき、その問題を解決するのは容易ではありません。
言葉や文化、制度が異なるため、支援機関につながることができず、状況をさらに悪化させたり、孤立してしまう人もいます。
また、外国人住民の困り事に寄り添っていると、外国人住民が差別や偏見のなかで暮らさなければならない現状や、日本社会の問題も見えてきます。
私たちは、外国人住民を地域の支援者につなげ、支援者とともにサポートし、その中で見えた課題を発信するとともに、新しい仕組みづくりに取り組んでいます。
なぜこの課題に取り組むか



・外国人住民を地域の社会資源につなげる必要性
外国人住民の困りごとを解決するためには、相談機関、とくに公的機関や弁護士などの専門家につなげる必要があります。こうした機関の多言語対応はまだまだ不十分であり、また外国人住民に対して理解がなく差別的な対応を行うこともあるため、一緒に同行する必要があります。
・「コミュニティ通訳」の制度化にむけて
外国人住民が「言葉の壁」によって、必要なサービスにアクセスできない場合、行政機関、相談窓口、学校などで言語サポートを行うのが、「コミュニティ通訳者」です。コミュニティ通訳は、当団体の活動のみならず、行政機関など外国人住民の支援には絶対に必要な存在ですが、日本では制度化されておらず、身分も不安定です。コミュニティ通訳の制度化、専門職化、地域への理解につなげるため、当団体は、すべての活動において通訳者に相応の謝金を支払っています。
・セーフティネットからもれる外国人住民の支援
相談者のなかでも、留学や就労系の在留資格で滞在する外国人住民は、受けられる公的サービスが少なく、病気や妊娠、職場のトラブルなどで就労先を離れると収入源が絶たれ、たちまち困窮状態に陥ってしまいます。メンタル面に課題があり、他人との関わりに困難を抱える外国人住民も地域には存在し、こうした人たちは制度につながりづらいです。
そして、外国人住民のなかでも、非正規滞在者、在留資格のない人たちは、就労が認められておらず行政サービスを全く利用できないため、その生存すら危ぶまれる状況にあります。
支援金の使い道



多言語によるなんでも相談会の実施
毎週土曜日13時~17時まで、外国人支援の専門家(行政書士、社会福祉士、精神福祉士など)の支援の専門家と、英語、フィリピン語、ポルトガル語、スペイン語、ベトナム語、ネパール語、中国語などで対応しています。頂いた支援金は、相談員や通訳者の謝金に活用させて頂きます。
専門家、相談窓口などへの同行支援、通訳派遣
当団体は毎月約30件。市役所、入国管理局、弁護士事務所、病院などに同行したり、通訳を派遣したりしています。同行する相談員、通訳者の謝金、交通費などにも支援金を利用させて頂きます。
食料支援、支援金の給付
生活が困窮している相談者は、公的サービスや既存のNPOにつなげるようにしていますが、それだけでは間に合わない時があります。緊急時の食料支援、行政サービスでは補えない、最低限の生活費や、各種手続きのために必要な交通費、手数料について、頂戴した寄付を相談者への支援金として利用致します。

