私たちの取り組む課題
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解決したい問題
精神疾患の親をもつ子どもが、自身のメンタルヘルスに高確率で不調を抱えてしまう問題
私たちCoCoTELIは、2021年の9月から精神疾患の親をもつ25歳以下の子ども・若者を対象とした、オンラインの居場所づくりをはじめました。必要によっては、個別相談を行うなど、当事者とのつながりを持ち続けています。それから今まで、当事者としてできる範囲で活動を広げていきながら、当事者約250名ほどと出会い声を聴かせてもらいました。
そんななか、出会ってきた当事者の子ども・若者の多くが、メンタルヘルスに不調を抱えていました。
実際にCoCoTELIで簡単な調査を行ったところ、アンケートに回答した当事者の約95%(n=23)が、『自身のメンタルヘルスに不安を感じている』ことがわかりました。
実際に調べてみると、精神疾患の親をもつ子どもは他の子どもと比べて、『精神疾患の罹患率が2.5倍高い』ということ。
そして『子ども全体の15%〜23%が、精神疾患の親をもつ』という2つの衝撃的な研究データを見つけました。
それなのに、彼ら・彼女らのサポートを行う社会資源がほとんどないという現状に、非常に衝撃を受けました。
学生団体として活動を進め、多くの当事者と出会い、声を聴く中で私たちは2つの課題意識を持ちました。
CoCoTELIが取り組む課題
①当事者の子どもたちに出会うことが難しい
- 精神疾患の親をもつ子どもが、社会から見えない存在となっている -
精神疾患に対する強い偏見
多くの人が『精神疾患に対する強い偏見』を感じたことがあるのではないでしょうか?
CoCoTELIで出会う当事者の中にも、精神疾患に対する偏見から「家族の悩みを人に話すことができなかった」という声が多くあります。
このように『精神疾患に対する強い偏見』が、相談をするハードルを上げてしまっています。
「家族の問題は、家族で解決するべき」といった風潮
こういった、古くから続く“家族主義”の風潮が、当事者自身が抱える家族の悩みを家族以外の人に相談しづらくさせている現状があります。
自分を取り巻く家族の状況を客観的に認識すること。そして誰かに「助けて」と言うこと。
そのこと自体とてもハードルが高いのではないでしょうか。
当事者を『待つ支援』だけでは足りない
最近、少し似た言葉である『ヤングケアラー』の支援において相談窓口などの設置が進んでいます。
現在の状況のままだと多くの相談窓口が当事者を『待つ』支援。当事者の『自覚』と『助けてと言う勇気』が前提となっています。
しかし、自分の家庭環境や状況を自覚する難しさ、この自己責任論が強い社会で「助けて」と言うハードルの高さを考えると相談窓口などの支援に自分からつながることができる当事者はごく僅かなのではないでしょうか?
私たちは、
早い段階から当事者に『社会側から』気付ける仕組みを作ることで、『必要なときに必要なサポートを届けられる仕組みを構築する』
ということの必要性を感じています。
この仕組みを確立することによって、必要なサポート受けることができていれば起きなかったはずの貧困や虐待などの問題が起きるリスクが低下する(より深刻な問題が起きることの予防になる)のではないか?と考えています。
②当事者の子ども・若者をサポートする社会資源がほとんどない
当事者がつながれる、『居場所的役割』をもつ支援団体が少ない
精神疾患の親をもつ子ども・若者をサポートする、社会資源がほとんどないのがいまの日本の現状です。
居場所や支援など、当事者の子ども・若者たちが選べる選択肢が増えていく必要がある。
僕たちはそのように考えています。
当事者が、自分の人生を生きること。必要なときに必要とするサポートを受けられること。
それらが『たまたま』『偶然』『運』といったものに左右されることなく、子どもが子どもらしく。その人がその人らしく。生きることができるために。
活動を進めていきます。
なぜこの課題に取り組むか
一部の経験は以下リンクに書かれていますが、代表である平井自身も精神疾患の親をもつ当事者でありその経験からCoCoTELIの活動を始めました。
https://note.com/toi_hirai/n/n5ee54a8699fe
2021年9月から学生団体として本格的に活動を始め、団体・個人合わせて約250人の精神疾患の親をもつ子ども・若者と出会ってきました。
当事者の子ども・若者たちとの関わりの中で多くの当事者の子ども・若者が自身のメンタルヘルスに不調を抱えていることを肌感覚で知りました。
しかし、社会を見ても支援がほとんどない。
そこに課題感を強く感じ活動を進めています。
寄付金の使い道
日々の支援の質を向上させるために、助成金ではなかなかカバーできない人件費に使わせていただきます