事業の目的
安全な水と安心して住める家屋を
日本では「湯水のごとく」という言葉がありますが、実はインドでは都市部でさえも十分な量の安全な飲み水や生活用水を得ることは困難です。特にチベット難民居住区は山間部でもあり、安全な水の確保は容易ではありません。弊会は1998年から継続的にチベット難民居住区の生活環境改善を支援しています。
ヒマーチャルプラデッシュ州は北にヒマラヤをたたえる山間地帯で、冬にはマイナス5度まで下がる過酷な生活環境にあります。60年前にチベットを脱出した難民の方々の多くは、この地域で「仮住まい」の生活を始めました。ところがその後、事態は硬直化し、「仮住まい」で60年もの歳月が過ぎ、もう二世代目、三世代目となり、家屋や公共設備は老朽化し、普段の生活にも大きな支障が出ています。当会ではそれらの中でも最も重要な学校、病院、家屋、水設備を中心に改築や新築を行ってまいりました。
児童にチベット語の絵本を
教育支援として、これまでに6万冊以上(初版)のチベット語絵本の配布を支援してきました。インドに住むチベット難民の児童たちは母国語や母国の文化に触れる機会がどうしても少なくなってしまいます。チベット語の絵本を通してチベット語とチベット文化に触れる機会を増やすことに尽力しています。
しかし、皮肉なことに、子どもたちの一番人気は、ネタ切れで作ってしまった日本の「金太郎」のチベット語絵本とのことです。ある小学校の校長先生が、「私の知っている日本語は、キンタロウ、モモタロウ、ウラシマタロウ。私も小学生のときに読みましたよ。」とニッコリ。支援活動も30年近く継続してやっておりますと、小学生が校長先生になってしまいます。
児童に衛生的なトイレを
弊会はチベット人居住区にある学校や病院、その他の公共施設でトイレの建設・改築を行っています。意外かも知れませんが、実はトイレの清潔さと生徒の出席率には密接な関係があるそうです。インドでは、特に女子の間では、学校に行きたくない理由として「トイレが汚いから」はいつもトップ5に入るそうです。衛生的なトイレは、感染症予防だけではなく、子どもたちの心に安心感をもたらします。
これまでの活動
発刊したチベット語絵本 6万冊以上(初版)
奨学金支援した児童 100人以上
修理した家屋 600棟以上
上下水道を整備した村 8村
事業の必要経費
約30万円で1冊の新しいチベット語絵本を発刊し、すべてのチベット難民居住区の小学校に届けることができます。
約50万円で老朽化し使用不能になった学校や病院の男女別トイレをリノベーションすることができます。
約70万円で学校や病院に男女共用(1部屋のみ)のトイレを新築することができます。
約130万円で学校や病院に男女別+車いす対応のトイレを新築することができます。
約300万円で小さな病院全体に安全な飲み水を供給できる高架水槽を建築することができます。
約1000万円で小さな村全体に安全な飲み水を供給できる高架水槽を建築することができます。
(*金額は為替レートと難民居留地によって変わります。)